JR東海のリニア開業延期「南アルプス保全のために2037年まで時間ができた」川勝平太静岡県知事に聞く【新年のつどい】

<静岡県 川勝平太知事>
Q2024年が始まって早々、能登半島地震があり、静岡県からも各地に支援が入っているが今後どのような体制で支援していくか

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「東日本大震災、熊本地震を経験し、とにかく初動体制が大切、2日前(1月2日)に総務省から穴水町を担当するように連絡があった。穴水町担当は静岡県だけです。穴水町は、能登空港があるところで、馳石川県知事に電話し、お見舞いとともに能登空港のビルの一角を使わせてほしいと伝えたところ、二つ返事でOKをいただいた。そうすると、静岡空港は大規模な広域防災拠点ですので、そこから物資を運ぶこともできるし、人も運ぶことができる。滑走路は(地震の影響で)傷んでいるが、それが修復されると固定翼のものも、ヘリコプターに加えて使えるということで、そこを拠点に、かつて東日本大震災のときに、遠野市を拠点にしたように、まずは穴水町をしっかりと救援をし、そして他の県や市が担当されている地域にも支援の体制を広げていくと、それが我々のいまの方針」

Q2023年を振り返ると県議会から不信任決議案も提出されたり、混乱もあったが2024年、県議会との関係修復、どのように取り組んでいくか?

「修復するということが目的。今回の災害を経験しているので、いかに一緒に力を合わせて作っていくかと、けんかする理由は何もないと、材料がないというふうに思っている。もともと関係悪くなかったんですが、選挙に応援に行った結果、ああいうことになってしまって、もうそれは反省していますから、そういうことをしないようにいたします」

Qリニア中央新幹線について、JR東海が開業を2027年以降に延期すると発表したが2024年静岡県としての見通しは?

「2027年までに実験線を延伸完成させてから、間断なく、東京~名古屋まで2027年に開業するということだったわけだが、(JR東海が開業を)伸ばされたわけです。我々が伸ばしたす訳ではありません。2037年、大阪までの全線開通ということが全体の目標になると、言い換えると南アルプスは国立公園ですから、その自然を保全することは国策です。それから、ユネスコのパーク、これを保全するというのは国際的な責務です。はっきり言いますと、リニアは営利事業ですから、国家的事業とはいえ、経営の自由、投資の実勢を貫徹しているから、われわれとしては南アルプスの保全のために、2037年まで時間ができた。あと13年の間に南アルプスの保全に関わる解決をすればいいということで、画期的な丹羽(俊介JR東海)社長のご決断であったと思っています。言い換えると『葛西方式』からの離脱、(元JR東海会長の)葛西(敬之)さんが決めた事業計画があったが、これがやぶられたことは画期的であったと思っています」

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