初代ミッキーマウス著作権切れでホラー映画やゲームに堂々登場! 96年目の世界最大ポップアイコン

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ミッキーマウス、95年の著作権ついに失効

ウォルト・ディズニーが1928年に発表した短編アニメ映画『蒸気船ウィリー』を知らない人はいないだろう。劇中の音楽や効果音とキャラクターの動きをマッチさせる<シンク・サウンド>を取り入れた初期作品で、なによりミッキーマウスを世界にお披露目した記念碑的作品である。

言わずもがなミッキーマウスはディズニーの象徴となり、その姿を目にしない日はないほどの世界一大きなポップアイコンとなった。あの“3つの丸”で表現されたシルエットだけで誰もがミッキーを想起するという、もはや人類のDNAに刻み込まれていると言っても過言ではない存在だ。

そんな『蒸気船ウィリー』発表から96年目となる2024年、ついにミッキーの著作権がパブリックドメインとなった。もちろんディズニーはできるだけミッキーの著作権を引き伸ばそうと戦ってきたし、その成果が95年間という非常に長い保護期間だったわけだ(法人著作物は発行から95年で失効)。

これによってアメリカでは、誰もが著作権侵害を心配することなく(『蒸気船ウィリー』版の)ミッキーマウスを使用できることになった(※著作権法は国によって異なる)。これまで著作権の厳しさが揶揄されてきたミッキーだが、フリーになった彼を早速フィーチャーしたのは、やはりと言うべきか、ホラー業界だった。

ミッキーがチャラい若者を皆殺し!?

これまで“ミッキー的な”キャラ造形は訴えられないよう過度なパロディでお茶を濁してきたが、これからは堂々と斧を振り下ろさせたりチェーンソーを振り回させたりできるのだから、ホラー映画やゲームが飛びつくのは納得である。そんな状況を受けて年明けに爆速で発表されたのが、その名も『MICKEY’S MOUSE TRAP』。ストーリーはいたってシンプルで、閉店後のゲームセンターに集ったチャラい若者たちがミッキーのコスチュームを身に纏った殺人鬼に次々と殺されていく……というものだ。

著作権フリーになったとはいえ、まんまミッキーはさすがにNGだったのだろうか。まるでマイケル・マイヤーズがミッキーのマスクを被っているかのような等身はたしかに怖いが、ミッキー指数は思いのほか高くない。とはいえ『蒸気船ウィリー』の映像を本編に使用できるのは、昨年までならばビタイチ考えられなかったことだ。

そしてホラーゲームにもミッキーが登場。Nightmare Forge gamesによる「Infestation: Origins」に登場するミッキーはゾンビ化したような見た目で、しかも超デカい。いわゆる「バイオ~」的な雰囲気で生理的なゾワゾワ度はかなりのものだが、やはり「ミッキーの必要ある…?」と思わなくもない仕上がりだ。

ともあれ『蒸気船ウィリー』のパブリックドメイン化は、クリエイターたちのイマジネーションを刺激しまくりの様子なので、今後のミッキー無双に期待したい。

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