能登半島地震、栃木県内からも支援本格化 DPAT派遣、物資発送準備も

被災地支援に向け、募金箱を設置する県職員=4日午後、県庁1階ロビー

 栃木県内市町などでは仕事始めの4日、能登半島地震の被災地支援に向けた動きが本格化した。県は同日夕、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の先遣隊を石川県に派遣。自治体や医療機関などでは保健師や医師らを派遣する準備が急ピッチで進む。被災地に救援物資を送る動きも出ている。

 県が派遣したDPATは県立岡本台病院(宇都宮市)と大平下病院(栃木市)の精神科医や看護師ら6人。5日から1週間程度、被災者の心のケアなどに当たる。このほか県は、県職員による災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)や保健師の派遣に向けて調整を進めている。

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 日本赤十字社県支部も救護班を派遣する。芳賀赤十字病院の医師や看護師ら計7人による第1陣が9~11日の3日間、被災地で活動する予定。那須、足利の赤十字病院の救護班も月内をめどに順次派遣される。

 救援物資の支援も各地で進む。上三川、益子、塩谷、高根沢の4町は4日、石川県志賀町へ送るブルーシートやアルファ米などを高根沢町役場に集約した。5日に現地へ出発する。

 宇都宮市は2日、庁内に災害支援本部を設置。給水車の派遣要請に対応できるよう車両の確認のほか、県などから被災地の避難所開設や罹災(りさい)証明書発行業務の支援要請があった場合に備えている。

 足利市は石川県宛てに、非常食や毛布など提供可能な備蓄品のリストをメールで送信。栃木市は消防職員を派遣する体制を整えた。

 自治体などで募金箱の設置も進み、県は4日、県庁本館1階ロビーとなど8カ所に設置した。

 支援への輪は民間団体にも広がる。栃木市を拠点とする学生ボランティア団体「Rainbow」の代表の栗原杏奈(くりはらあんな)さん(16)=佐野高1年=は3日、埼玉県の災害ボランティア団体の活動に参加し、石川県穴水町役場に2トントラック2台分のアルファ米や飲料水、簡易トイレなどを届けた。栗原さんは「現地の様子をさまざまな形で発信したい」と話している。

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