【早出し】天童市、超促成栽培のサクランボ「佐藤錦」を初出荷 

真っ赤に色づいたサクランボがきり箱に詰められた=天童市荒谷

 天童市荒谷で4日、超促成栽培のサクランボが初出荷された。ハウス内で育った「佐藤錦」が、5日の初競りに向け、全国の市場に発送された。昨年は東京・大田市場で、きり箱入り500グラム(2L)に過去最高となる130万円の値が付いた。

 昨年6月から冷蔵庫で休眠させた鉢植え240本を10月にハウス2棟に移し、春を再現した環境で開花と結実を促した。ハウス内には真っ赤なサクランボが実り、生産者の花輪和雄さん(74)=同市下荻野戸=ら10人ほどが摘み取りや選別、箱詰めに分かれて作業した。

 超促成栽培は、初夏の味覚を新春にも楽しんでもらおうと1987(昭和62)年に同市内で始まり、花輪さんが継いで21年目になる。花輪さんは「順調に生育し、今までにないほどのよい出来となった。能登半島地震、航空機事故と新年早々、大変な災害が起きているので、少しでも明るい話題が提供できればと思う」と話した。

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