能登地震の被災地支援 茨城県内も動き本格化 給水車や物資

富山県高岡市に派遣された給水車と市職員たち=龍ケ崎市役所

能登半島地震の被災地を支援する動きが、茨城県内で本格化している。4日は龍ケ崎市が大規模断水が続く富山県高岡市へ給水車や職員を派遣。支援物資を積み込んだ日本青年会議所(JC)のトラックは中継地点の岐阜県岐阜市へ出発した。県も人的支援や救援物資提供の準備を進めており、市町村の庁舎入り口などでは支援金を募る募金箱が相次いで設置された。

龍ケ崎市は4日、高岡市に6トンの給水車と職員4人を派遣した。現地の状況を勘案しながら当面の間滞在して支援活動に従事する。

両市は、ともにコロッケを生かしたまちづくりに取り組んでいる縁で2008年から交流を深め、11年の東日本大震災では高岡市から龍ケ崎市に給水車が派遣された。

この日の出発式で、萩原勇市長は「東日本大震災で助けてもらった恩返しも兼ねて頑張ってほしい」と激励。現地へ赴く柏崎治正危機管理監は「困っている高岡市民の一助となるべく活動したい」と語った。

つくば市は4日までに、石川県のかほく市と七尾市に支援物資を送り、市危機管理課の職員2人が現地に届けた。このうち1人は消防士。七尾市で同日、対策本部の応援に入った。

高萩市は4日、給水車の派遣準備や被災建物の応急危険度を判定する建築士の資格を持つ職員の人選を進め、要請があり次第派遣できる態勢を整えた。古河市は同日、石川県へのふるさと納税の代理寄付受け付けを境町に続いて開始した。

JC関東地区茨城ブロック協議会(松丸議将(のりまさ)会長)は2日から支援準備を進め、現地JCと連絡を取りながら土浦市内の会員事業所に物資を集めた。飲料水や土のう袋、簡易トイレなどを積み込んだトラック3台が4日出発した。道路寸断などで被災地入りが難しいため、手前にある岐阜市内の事業所に運び込む予定という。

自社トラックを提供した下妻市の大島俊太郎さん(33)は「災害時こそ協力し合うのが大事」と強調して車に乗り込んだ。

支援に当たって、同協議会は「恩返しの意味も込めて必要な物資を送り、復興に向けて少しでも被災者の役に立ちたい」とした。

県には、全国知事会から県や市町村職員派遣の調整依頼が届き、既に準備に着手。厚生労働省からも、避難者や被災者の健康管理に当たる保健師、災害健康危機管理チーム(DHEAT)の派遣可否に関する問い合わせがあった。

県はいずれの人的派遣も進める方針で、県防災・危機管理課は「具体的な派遣期間や人数などが示されれば、迅速に派遣が行えるよう準備を進めている」とした。県の備蓄品リストも石川県に提供し、同県からの要望を確認した上で、救援物資を提供する。

県庁舎などには募金箱を設置。集まった義援金は日本赤十字社と県共同募金会を通して被災者に届ける。水戸市や土浦市、大洗町など県内市町村の庁舎窓口にも募金箱が設置された。

このうち、15年9月の水害で被災した常総市の担当者は「水害では全国から支援をもらった。恩返しの気持ちで支援したい」と話した。

被災地に向けた支援物資をトラックに積み込む県内JCのメンバーたち=土浦市田中

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