発生4日目

 この季節らしい冷え込みが戻り始めた。日が沈んで、やがて日付が変わる頃になっても悲しい数字がまだ動くのは、昼夜を分かつことなく被災者の捜索や救出活動が続いているからだ▲余震と呼ぶにはあまりにも規模の大きな揺れも継続している。能登半島地震はきょうで発生から4日目。何とか1人でも多く、無事で助かってほしい。願うのは変わらずただ一つ、そのことだけ▲よその被災をきっかけにわが身の備えを省みるのは嫌いだ、と繰り返し書いてきた。それでも、災害が日付を選ばず襲いかかってくることだけは心に刻んでおかねばならない。新しい手帳の最初の日付に大地震の発生時刻を書き留める▲2日夜に起きた羽田空港の航空機事故。手違いはどこに潜んでいたのだろう。原因の究明には時間が必要だが、大地震が起きなければ海上保安庁機があの場所から被災地を目指すことなどなかったことだけは、はっきりしている。大地震が引き起こしたも同然の事故▲年末年始休暇のUターンがピークを迎えた。子や孫を遠い街に送り出す「元気でね」の声にいつもと違う湿度と熱がこもった方も多かろう▲経済や行政の2024年が動き出す。多くの言葉は要るまい。被災地から目をそらさず、悲鳴に耳を澄ませて、この街にできる支援を急ぎたい。(智)

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