スタートから43年、世界中にもファンがいる大人気サッカー漫画『キャプテン翼』の連載が終了…高橋陽一先生「簡単にできる決断ではありませんでした」

『キャプテン翼』の作者・高橋陽一先生[写真:©超ワールドサッカー]

世界的にも人気を誇るサッカー漫画『キャプテン翼』の連載が終了することが発表された。
【画像】高橋陽一先生の思いも綴られている5日発売の『キャプテン翼マガジンvol.19』

高橋陽一先生が手がけ、1981年に『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートした『キャプテン翼』。2024年で43年目を迎えている。

日本サッカー界には多大なる貢献を見せ、多くのサッカー少年の心を動かし、OBや現役選手には『キャプテン翼』の影響でサッカーをしている人も多いほどだ。

また、世界でもその影響は大きく、多くのスター選手が愛読していることでも知られている。

そんな中、突然の連載終了発表。高橋先生は、目安の最終回までの構想があるとし、「最後まで連載にこだわり体力の限界まで“漫画”を描き続けるよりも、連載をやめ『キャプテン翼』の最終回までの“物語”を残す決断をしました」と発表した。

ーーーーー
いつも『キャプテン翼』を応援していただき、ありがとうございます。

1981年に『週刊少年ジャンプ』で『キャプテン翼』の連載を始めてから2024年で43年目になります。ここ数年、この先の物語をいったいどこまで描けるのか、ずっと考えていました。そして今回、最後まで連載にこだわり体力の限界まで“漫画”を描き続けるよりも、連載をやめ『キャプテン翼』の最終回までの“物語”を残す決断をしました。

今、頭の中には『キャプテン翼』の一応の目安の最終回までの構想があります。現在『キャプテン翼マガジン』で連載中のオリンピック編『ライジングサン』の、その先のシリーズまで含めてです。ですが計算すると、この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません。それを実現させるのは現実的ではないと感じた一方、たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない、と思いつきました。

これまで、身体は大きな病気をすることもなく、現在も健康状態は維持できていると思います。ただ、『週刊少年ジャンプ』や『週刊ヤングジャンプ』で週刊連載をしていた頃と比べると、年齢も60を超え、だいぶ身体にガタがきていることもたしかです。

そういった体力の衰えと、昨今のデジタル化の波による執筆環境の変化などにより、以前より漫画の執筆ペースは落ちてきました。さらに2020年から猛威を奮った新型コロナウイルスの感染拡大があったことで、その傾向はさらに強まりました。

さらに僕が漫画家を目指すきっかけであり、一番の憧れであり、目標だった水島新司先生の訃報が飛び込んできたことも考えさせられる契機になりました。

簡単にできる決断ではありませんでしたし、いつも『キャプテン翼』を楽しく読んでくださっている読者の皆さんには残念で寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、この決断を理解していただければと思います。

ここで伝えきれない正直な思い、決断に至った経緯などの詳細は1月5日発売の『キャプテン翼マガジンvol.19』に綴らせてもらいました。現在同誌で連載中の『キャプテン翼ライジングサンTHEFINAL』、そして『キャプテン翼MEMORIES4 最強!!明和FC伝説』は、4月初旬発売予定の『キャプテン翼マガジンvol.20』の話をもって最終話とさせていただきます。そして『キャプテン翼マガジン』も、このvol.20をもって最終号となります。

今はまず、連載の最終回までの原稿を全力で描き切ろうと思っています。どうか最後までおつきあいのほど、よろしくお願いします。

漫画家高橋陽一
ーーーーー

© 株式会社シーソーゲーム