大羽子板にツルとタイ 茨城・水戸八幡宮 8日、はねつき神事

奉納される中山真司さん揮毫(きごう)の大羽子板=水戸市八幡町

水戸八幡宮(茨城県水戸市八幡町、田所清敬宮司)で、成人の日の8日、新春恒例の「はねつき・破魔弓神事」(同宮、水戸人形組合主催)が開かれる。女性神職や巫女(みこ)が羽根突きで稲の豊凶を占い、斎主が邪気払いの矢を放つほか、新成人による大羽子板奉納の儀も行われる。

奉納する2枚の大羽子板は毎年、県内を代表する芸術家の手で作られる。今回は、同県大洗町の万祝(まいわい)・大漁旗製作家の中山真司さん(60)が手がけた。大きく羽根を広げるツルと、躍動感あふれるタイの姿が色鮮やかに染め抜かれ、赤青の背景との対比が美しい。中山さんは「普通は吉兆と言えばツルとカメ。大漁旗らしさとおめでたさを両立させるためタイを選んだ」と話す。

神事は、厄や邪気を払う平安時代の行事「胡鬼(こぎ)の子遊び」が原型で、羽根突きを通じて一年の除災招福を祈る。当日は、水戸の梅大使らによる「はねつき奉納」や水戸市弓道連盟有志による古式礼射、一般参加の「はねつき大会」「弓大会」なども開かれる。

■はねつき俳句 最優秀賞に砂押さん(茨城・ひたちなか)

「はねつき・破魔弓神事」に合わせ、茨城新聞社が募集した「はねつき俳句」では、最優秀賞に茨城県ひたちなか市、砂押悦子さん(69)の「突く音(おと)の途切れ途切れて羽子日和(びより)」が選ばれた。

選者は茨城新聞「茨城俳壇」選者の今瀬剛一さんが務めた。受賞句について、今瀬さんは「晴天の下、羽根を突く音が辺りに快く響き渡る、穏やかな年明け。『途切れ途切れ』という言葉からは仲良く羽根を突いている様までうかがえる」と評した。

優秀賞には、秋田武さん(同県常総市)篠崎順子さん(同県下妻市)永井弘子さん(水戸市)坂田暁風さん(同)が選ばれた。受賞者は8日、同宮拝殿前で表彰される。

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