弘前などでリンゴ初市 高値相場でスタート

昨年末の高値をキープして堅調相場となったリンゴ初市=5日午前8時25分、弘果弘前中央青果
活発な取引となった津軽りんご市場の初市=5日午前8時50分ごろ、板柳町
前年の初市より高値での取引となった五所川原中央青果の初市=5日午前8時ごろ

 青森県弘前市の弘果弘前中央青果、板柳町の津軽りんご市場、五所川原市の五所川原中央青果で5日朝、2024年のリンゴ初市が行われた。数量は平年より少なかったが、品薄感と中華圏の春節(旧正月)に向けた輸出需要の高まりを受け、主力のサンふじ(無袋ふじ)は昨年より2~6割近く高い値段が付いた。年末までの高値基調を引き継いだ堅調な相場でのスタートとなった。

▼弘果弘前中央青果

 弘前市の弘果弘前中央青果にはサンふじ、王林などが前年より3420箱少ない1万3508箱(20キロ原箱)が上場された。

 サンふじの上物は高値1万6200円(前年比5割高)、中値9720円(同)、安値7560円(4割高)。高値は、記録が残る2011年産リンゴ初市以降で最高の22年と同価格。中値、安値は22年より高価格で取引された。

 弘果によると、春節に向けたリンゴ輸出は来週でピークを終え、月末にかけて国内販売がメインとなる。他県産は出荷が終盤に差しかかり、県産リンゴの引き合いが強くなる見通し。ただ、価格が上昇し過ぎると消費者離れにつながる恐れも出てくるため、會田一男専務は「いいスタートを切れたので、この価格を維持していければ。在庫の早期販売も指導していきたい」と話した。

▼津軽りんご市場

 板柳町の津軽りんご市場には買参人約70人、生産者ら約620人が集まった。サンふじを中心に前年比5.2%減の5869箱(20キロ原箱)が上場された。

 サンふじ上物が高値1万6200円(前年比50%高)、中値9720円(同)、安値7560円(同40%高)。高値は1994年の同市場開設以降で最高値だった2022年と並び、中値と安値は最高値だった22年を上回った。

 對馬智範常務取締役は「上位等級から下位等級まで高値で活発な取引となった。食味が良いことや、全国的に品薄状態で青森県産の引き合いが強まったこと、輸出需要の高まりが要因と思われる。このままの傾向が続いてくれれば」と期待感を示した。

▼五所川原中央青果

 五所川原市の五所川原中央青果には生産者や買い受け人ら約120人が集まり、前年並みの1043箱(20キロ原箱)が取引された。

 競りでは、サンふじの上物が高値1万2960円(前年比20%高)、中値8640円(同45%高)、安値7560円(同55%高)だった。昨年春先の霜と夏の猛暑の影響による「さび」や着色不良が見られたものの、食味が良好なため高値傾向となった。

 三橋敏文取締役部長は「鳥やクマによる食害もあり出荷量の減少を心配していたが、昨年とほぼ変わらず一安心。果物全体が品薄なこともあり、活発な取引となった。まずまずのスタートを切れたのでは」と話した。

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