長崎が昨季大分で指揮した下平隆宏氏をHCに招へいし暫定指揮へ、カリーレ監督との状況も報告「違約金に関しては支払いを求めるべき」

長崎のヘッドコーチに就任する下平隆宏氏[写真:©︎J.LEAGUE]

V・ファーレン長崎は5日、2023シーズンまで大分トリニータで指揮を執っていた下平隆宏氏(52)をトップチームのヘッドコーチに招へいしたことを発表した。

下平氏は、現役時代は柏レイソルでプレーしたほか、ユベントスのプリマヴェーラ、FC東京でもプレー。引退後、柏でスカウトやU-18コーチ、監督、トップチームのヘッドコーチを歴任。2016年3月からトップチームの監督を務めた。

2018年5月に成績不振で解任されると、その後強化チームダイレクターに就任。2019年からは横浜FCのヘッドコーチに就任すると、同年5月から監督に就任。2022年から大分で監督を務めていた。

下平ヘッドコーチはクラブを通じてコメントしている。

「V・ファーレン長崎に関わる全ての皆様、はじめまして下平隆宏です。今年は、長崎スタジアムシティの開業年ということで長崎県民の期待や希望が溢れる1年になると思います。その中で、クラブの目指すべきビジョンに共感をし、このチームでJ2優勝、J1昇格を成し遂げたいと強く感じ就任を決意しました」

「選手、スタッフ、クラブが一丸となり、長崎の素晴らしいサポーターとともに、どんな時でも目標に向かい、情熱を持って邁進していきますので、応援よろしくお願いいたします」

また、代表取締役会長 兼 社長 髙田旭人氏はファビオ・カリーレ監督との契約について最新状況を報告。下平氏を招へいした理由についても明かしている。

「皆様あけましておめでとうございます。今年は、元日から本当に胸を痛めるようなニュースが続いています。こういう時だからこそ、サッカーを通してチャレンジする姿を示し、チーム・サポーター・スポンサーすべてが一丸となって J1昇格を達成し、皆さんと笑顔で振り返られる一年にしたいと思います。本年もよろしくお願いします」

「カリーレ監督との契約の件につきましてご心配をお掛けして申し訳ありません。すでにご報告の通り、昨年12月20日にカリーレ監督からサントスFCと契約したい意向を受け取りました。その後、現地での記者会見も行われていますが、1月5日現在まで契約に関する正式な手続きを再三求めているものの、未だにオファーレターも届いていない状況です。我々としては、今後の日本サッカー界のためにも一方的に契約を破棄したことによる違約金に関しては支払いを求めるべきだと考えております」

「一方、年が明け今シーズンに向けて選手・スタッフが迷いなく今季に向けて動き出さないといけない中で、この曖昧な状況を解消すべきだと考えており、下平隆宏ヘッドコーチとの契約を締結しました。カリーレ監督の去就がはっきりするまでは暫定で指揮を執っていただくことになります」

「今後も、目指すべき目標達成に向けて、チーム一丸となり全力で準備を進めてまいります」

カリーレ監督は、コリンチャンスやアル・ワフダ(カタール)、アル・イテハド(サウジアラビア)、サントス、アトレチコ・パラナエンセで指揮を執り、2022年6月に長崎の監督に就任した。

シーズンを通して初めて指揮した今シーズンは、最後までJ1昇格プレーオフ進出の可能性があったが、7位でフィニッシュ。それでも、4日に来シーズンも指揮することが発表されていた。

しかし、その後にサントスとの契約についてブラジル国内で報道。強化部がカリーレ監督に事実確認をとったところ、長崎で指揮を執る意向を示した。

ただ、12月19日になり、サントスと契約したいという意思をカリーレ監督が示したとのこと。急遽電話会議を行い、返答を待つことに。20日になり、サントスが公式SNSでカリーレ監督を就任したことを発表していた。

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