フェラーリ・ドライバー・アカデミーの責任者にジョック・クリアが就任。前任マタッサはアルファタウリへ

 2018年の初めから跳ね馬の若手ドライバー育成プログラムを率いてきたマルコ・マタッサが去り、フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の責任者が交代した。イタリア人であるマタッサが、以前所属していたファエンツァに本拠を置くアルファタウリ(2024年は新名称でレースに参戦する)に戻るものと予想されるなか、マラネロでの彼のポジションは経験豊富なジョック・クリアが引き継ぐことになった。

 FDAの指導者交代は、フェラーリがサポートするグループのスリム化と同時に行われる。また、昨年FIA F2で非常に印象的なデビューを飾ったイギリス人ドライバー、オリバー・ベアマンが次にF1に昇格すると考えられていることも明らかになった。

 新しい責任者となるクリアは、スクーデリアの若手ドライバーズ・プログラムに精通している。ベアマンをはじめ、FIA F2やFIA F3に参戦しているドライバーたちのレースがグランプリに組み込まれているときは、彼は若い才能たちをアシストしており、彼の担当ドライバーがトップ3でレースを終えると、表彰台の下で喜ぶのがつねだった。

 マタッサの去就は2023年半ば以降、フェラーリに知られることになった。前述のとおり彼はファエンツァに本拠を置くチームに戻ることになっているが、これは前スポーティングディレクターでアルファタウリF1の新チーム代表となるローラン・メキースに続くものだ。

 フェラーリF1チームを率いるフレデリック・バスールはすぐにクリアを後任に指名。このイギリス人エンジニアはイタリア人エンジニアと緊密に働き始めた。

 メキシコとアブダビで行われたハースでのFP1(フリープラクティス)走行の準備のために、ベアマンとほとんどの時間を過ごしたのはクリアであり、今後プレマで2度目のF2シーズンを過ごすベアマンをサポートすることが彼の完全な責任となる。

 さらにクリアは、ディーノ・ベガノビッチの2度目のF3シーズンをサポートするほか、ラファエル・カマラも支援していくことになる。カマラは昨年に続いてフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権に参戦、昨年F4で走ったトゥッカ・タポネンも、今年同シリーズにエントリーする予定だ。

 女性メンバーふたりに関しては、まだ2024年のレース計画は確定していないが、比較的経験のあるマヤ・ウィーグは、カマラ、タポネンとともにフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパに参戦するものと広く予想されている。ブラジル出身のオーレリア・ノベルスは、女性だけのシリーズ、F1アカデミーにデビューする可能性が高い。一方でノベルスは、中東で5ラウンド開催されるUAE F4選手権で走る予定で、ユーロF4への2シーズン目の参戦も検討中だ。

フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の新責任者に任命されたジョック・クリア

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