真岡北陵高の介護福祉科存続へ 廃止一転、反対根強く見直し 第3期県立高校再編計画案

 栃木県教委が第3期県立高校再編計画案の一部を見直し、廃止対象だった真岡北陵高の介護福祉科について存続させる方針を固めたことが5日、関係者への取材で分かった。同科を巡っては地元や医師会から存続を求める要望書や署名が相次いでいた。同校と真岡工業高を統合した新校は、真岡北陵高の校地を使用する計画に変更する。県教委は近く再編計画を正式決定する見通し。

 同計画は2024年度から順次進めていく予定で、23年7月に計画案を公表。地元説明会やパブリックコメント(意見公募)を実施していた。

 計画案の見直しではこのほか、地元から反発が大きかった今市高と今市工業高、日光明峰高の統合を計画通り実施する一方、新校では大学進学を見据えた学習や観光など地域に関する学びを充実させる方針。

 高校で入学選抜がない中高一貫の「中等教育学校」に再編する宇都宮東高・付属中、小山高の2校については1学年の定員を140人から120人に削減する。

 真岡北陵高の介護福祉科の現在の定員は30人だが、29年度に統合予定の新校では20人とする。同科を存続させる代わりに、商業に関する学科の定員を減らし、全体の生徒数を調整する。新校は真岡工業高を使用する予定だったが、敷地面積などを考慮して変更する。

 計画案では26年度に同科の募集を停止し、同じ地区内にある益子芳星高に福祉コースを導入する方針だった。しかし、介護福祉科と比べ、介護福祉士の資格を取得するまでの年数が長くなることが見込まれるため、関係者らから反対の声が上がっていた。

 真岡市などは同科の存続を求める要望書を阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長に提出。芳賀郡市医師会も1万1千人分以上の署名を集め提出していた。設置予定だった福祉コースの導入は撤回する。

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