年中フルーツ狩りできる「フルーツフルガーデン」、福井県の道の駅「南えちぜん山海里」隣にオープン

内覧会で「ひのの実」の川崎武彦ファームマネジャーが案内したイチゴのハウス=1月5日、福井県南越前町牧谷

 福井県南越前町牧谷の道の駅「南えちぜん山海里」に隣接する体験農園施設「FRUITFUL GARDEN(フルーツフルガーデン)ひのの実(み)」が1月5日、開業した。北陸で最多の11品種を栽培するイチゴハウスに加えブルーベリー、ブドウの農園を備え、通年でフルーツ狩り体験を提供する。国内初導入の技術を含むスマート農法で管理し、園芸農業と観光の振興拠点としての役割を担う。

 施設はJA越前たけふが事業主体となり、町や県、国が出資し整備した。総事業費は約1億9千万円。敷地面積は約1.2ヘクタール。「ひのの実」の由来となった日野山、日野川に囲まれ、隣接する道の駅と同様、北陸道と一般道の双方からアクセスできる。

 目玉のイチゴ農園は4棟のハウスで「紅ほっぺ」「かおり野」「ほしうらら」など11品種を栽培。株一つ一つを鉢で育てるポット栽培に、養液栽培システムを組み合わせた国内初の生産環境を整えた。自動潅水(かんすい)装置や生育状況を遠隔で確認できる設備など、先端技術を用いたスマート農法も取り入れている。

 イチゴ狩りは冬から初夏にかけて実施。1回1200円でカップ1杯分を摘み取り、アイスやあんこ、大福などのトッピングを選んでスイーツ作りも体験できる。一部ハウス内には飲食スペースも設けた。

 ブルーベリーは30品種、ブドウは40品種以上をそれぞれ約30アールの農地で栽培。ともに初夏から秋が収穫期で、ブルーベリーは今季から、ブドウは来季以降の収穫を見込む。敷地内ではコンテナの直売所と、収穫した果実を使ったスイーツを販売するキッチンカーも運営する。

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 施設運営と栽培は、南越前町出身の3人の農家らを中心に立ち上げた南条果樹園管理組合が担う。元県職員で園芸研究センター主任研究員を務めていた川崎武彦ファームマネジャーは「人が集まる道の駅を農業の面でもっと盛り上げたい」と意欲を語った。

 1月5日の「いちごの日」に合わせて行われた竣工式には関係者約40人が列席。JA越前たけふの土本俊三組合長は「最先端のスマート農業の実践の場として、米作中心の地域におけるこれからの園芸振興の核としたい」と期待を述べた。

 月、火曜定休で午前10時~午後4時。イチゴ狩りは予約制で、問い合わせは「ひのの実」=電話050-8886-3115。

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