大分スポーツ公園の渋滞緩和へスマートインターチェンジ 県が東九州道に設置検討【大分県】

大規模イベント時の渋滞対策が課題になっている大分スポーツ公園=2023年10月、大分市(本社チャーター機から撮影)
大分スポーツ公園のアクセス改善案
大分スポーツ公園のドームで開催された主なイベント

 大規模イベント時の渋滞対策が課題となっている大分スポーツ公園(大分市横尾)周辺の交通をスムーズにするため、大分県は近くを通る東九州自動車道にスマートインターチェンジの設置を検討する。これまではシャトルバスを運行するなど主にソフト面で混雑緩和を図ってきたが、抜本的なハード改良が必要と判断した。月内にも庁内にプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、具体的な議論を始める。

 スポーツ公園は約4万人を収容できるレゾナックドーム大分がある。2001年の開場後、サッカーやラグビーのワールドカップ、人気アーティストの音楽イベントなどがあった。

 18年のサッカー日本代表戦はドームに向かう車列が大規模な渋滞を引き起こし、選手らの会場入りが大幅に遅れた。注目カードでの「失態」が批判を浴びたのをきっかけに、行政が対策に関わるようになった。

 県は車の流れを分散させるため、公園から約1キロの距離にある東九州道大分松岡パーキングエリアに着目。ETC(自動料金収受システム)専用のスマートインターチェンジを設けて、近くの▽市道大原江又線▽県道松岡日岡線▽国道197号大分南バイパス―のいずれかに振り分ける構想を描く。

 将来的には大量の車を受け入れられるよう、周辺での駐車場新設も協議する。

 スマートインターチェンジの設置は、県と大分市が20年にまとめた渋滞緩和策の「基本方針」に盛り込まれていた。PTは今後、整備にかかる費用や管理運営方法など、実現に向けた課題を洗い出す。

 佐藤樹一郎知事は「(ドームが受け入れ可能な)4万人規模のイベントが開きにくいのが現状だ。交通インフラも含めてアクセス改善の方策を検討していく」と述べた。

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