小寒の朝、冷水浴びて寒水行 兵庫・市川町 男女8人、無病息災願う

激しく水しぶきを飛び散らせた寒水行=市川町沢、延寿寺

 二十四節気の一つで、寒さが厳しさを増すとされる「小寒」を迎えた6日早朝、市川町沢の延寿寺で、無病息災などを祈る「寒水行」が始まった。檀信徒の男女8人が集まり、冷水を頭から浴びて心身を清めた。

 約100年続くとされる伝統行事で、同寺の開祖が市川で水行したことに由来する。境内には巨岩で囲まれた水行場があり、節分の2月3日まで毎日続く。

 夜明け前の午前5時過ぎ、気温6度の境内に太鼓の音や堀豊明住職の唱えるお題目が響く中、檀信徒は1人ずつ順に水行場に入った。手おけですくった井戸水を何度もかぶると、背中から湯気が立ち上った。

 約30年前から通う姫路市の自営業金沢正人さん(68)は「能登半島地震で亡くなられた方を思いながら、安否不明者の無事を祈りました」と話した。 (辰巳直之)

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