新春花あそび 縁起物で境内彩る 長崎・興福寺 「1年の強運を願って」

隠元禅師東渡370年を記念し縁起物の正月花でしつらえた「新春花あそび」=長崎市、興福寺

 古くから「赤寺」と呼ばれ親しまれている長崎県長崎市寺町の興福寺(松尾法道住職)は、境内を縁起物の正月花で彩る恒例の「新春花あそび」を開いている。8日まで。
 「まちなかで薄れてきた正月の風情をせめてお寺ぐらいは残したい」という先代からの教えを守り、趣向を凝らした門松で参拝客を出迎えている。松竹梅に千両、南天。しだれ柳や花梅の枝に紅白の小さな餅を付けた「餅花」は、たわわに実る稲穂に見立て、五穀豊穣(ほうじょう)を願う。
 今年は同寺の住職を務めた隠元禅師が来日して370年に当たる節目の年。本堂わきの庫裏玄関には長崎奉行の先導で輿(こし)に乗った隠元禅師が長崎港から上陸する様子を描いた掛け軸などもしつらえ、華やかに新年を祝う。
 「干支の辰(たつ)にゆかりの龍とも縁が深いお寺。一年の強運を願ってお参りください」と松尾住職。7日は七草がゆ、11日は本堂などにお供えした餅の鏡開きでぜんざいのふるまいがある。いずれも午前9時半からの法要後、先着100人。

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