福井県警援助隊が被災地から帰福、300軒捜索も「歯がゆさ残る」 能登半島地震、石川県輪島市で活動

倒壊した家屋で捜索救助活動に当たる福井県警広域緊急援助隊員=1月4日、石川県輪島市(福井県警提供)

 能登半島地震で被災した石川県輪島市で捜索救助活動に当たった福井県警広域緊急援助隊の警備部隊25人が1月5日、任務を終えて帰福した。部隊を率いた野路恭平小隊長(32)は、地割れや倒壊した建物の多さから被害の大きさを実感したといい「道路寸断で孤立した集落があり、安否確認ができていない現場も多い。引き続き救助活動が求められるし、歯がゆさも残っている」と話した。

 石川県警からの派遣要請を受け、1日午後7時40分ごろに出発。地割れによって道路状況が悪く、輪島市に到着したのは2日午後6時ごろだった。3日朝から倒壊家屋などで捜索活動に当たり、4日までに計約300軒を調べた。崩れた家屋から心肺停止状態の男性1人を発見した。

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 4日夕に生存率が大きく低下する発生72時間が迫る中、家族を助けてほしいという声も強く、野路小隊長は「何とか焦りを抑えながら、一人でも多くの命を助けたい思いで任務に当たった」と振り返った。

 2016年の熊本地震での捜索救助活動の経験もある野路小隊長は「今回は至る所で地割れが発生し、移動に困難を強いられた」という。水道や電気が止まり、食料・水不足になっている現状から「備蓄の重要性を改めて感じた」と語った。

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 交通部隊17人も3日から5日まで穴水町などで、道路状況の確認や支援物資を運ぶ車両の誘導などに当たった。

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