長崎県内で消防出初め式 災害や事故続く年始に誓う防災 「まちは自分たちで守る」

沿道から多くの市民が見守ったパレード=雲仙市小浜町

 石川県で1日に最大震度7を観測した能登半島地震、2日に発生した羽田空港の航空機衝突など、災害や事故が相次ぐ年明けとなった2024年。長崎県内4市で5日にあった消防出初め式で、出席者が犠牲者を追悼。現地で活動する消防職員や団員に心を寄せ、防火防災への決意を新たにした。

 雲仙市は小浜町の小浜マリンパークで開き、消防団員や消防署員ら約1100人がパレードや放水などで防火を呼びかけた。式に先立ち、能登半島地震を受け参加者全員が黙とう。団員からは被災地へ激励の声も聞かれた。
 金澤秀三郎市長は「各地で未曽有の災害が発生している。団員の皆さんは非常事態に備えてほしい」と式辞。川上清記(きよふみ)団長が「まちを自分たちで守れるよう、団員のさらなる奮起を期待する」と訓示した。
 団員や幼年消防クラブの子どもたちが小浜温泉街をパレード。園児の放水に続き、団員らが岸壁から橘湾に向かって放水を披露した。北串保育園の甲斐夏芽ちゃん(6)は「ホースは重かったけど楽しかった」と放水の感想を話した。
 小浜支団第6分団の荒木正和さん(50)は3年前、雲仙地区で発生した大雨土砂災害による行方不明者を懸命に捜索した。地震被災地の消防団員へ思いを寄せて「大変だと思うが寒さの中、体調に気を付けて頑張ってほしい」と語った。

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