真冬の海で泳ぎ初め 被災地思い水書 長崎・ねずみ島

冷たい海の中で寒中水泳に挑んだ子どもたち

 NPO法人長崎游泳協会(田中直英理事長)の稽古始め式が3日、長崎県長崎市小瀬戸町の皇后島(通称・ねずみ島)であり、会員らが真冬の海で泳ぎ初めをした。立ち泳ぎをしながら筆で文字を書く「水書」では、石川県で発生した能登半島地震の被災者を思い「祈地震鎮静」の文字を記した。
 同協会は寒中水泳を稽古始めとして毎年実施。今年は協会員と同市立山里中、瓊浦高の水泳部員ら6~78歳の計88人が参加した。
 式には鈴木史朗市長も出席。「胸が張り裂けそうな災害や事故が起きた。被災地を思い、復興への思いをもって泳いでほしい」とあいさつした。
 気温10度、水温13度、時折小雨が降る中、参加者は震えながら入水し、平泳ぎや水上で弓を引く「水弓」などを披露。ねずみ島時代に行われていたという、水面でお神酒を注ぎ飲む「酒呑游(さけのみおよぎ)」も復活した。
 終了後、「酒呑游」の復活を企画した浅岡泰彦さん(58)は「協会が伝承する『小堀流踏水術』の泳ぎを若い人に見てもらい、将来の目標にしてほしい」と語った。参加者最年少で、初めて参加した大場結莉乃ちゃん(6)は「寒かったけど楽しかった。今年は水泳を頑張りたい」と笑顔で話した。

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