宝塚歌劇星組トップ・礼真琴、激しいダンスで観客魅了 4カ月ぶり復帰「お客様がいるからこそ」

「RRR」でビームを演じる礼真琴=宝塚市栄町1、宝塚大劇場(撮影・斎藤雅志)

 宝塚歌劇団星組トップスターの礼真琴(れい・まこと)が5日、宝塚大劇場(宝塚市栄町1)で開幕した「RRR×TAKA“R”AZUKA~√Bheem~(アールアールアール・バイ・タカラヅカ~ルートビーム)」で、4カ月ぶりに舞台に復帰した。激しいダンスや伸びやかな歌声、充実の演技は健在、元気な姿を見せ、待ちわびたファンに復活を印象づけた。

 昨年5月の会見で、礼は「1789-バスティーユの恋人たち-」東京公演終了後の8月末から約2カ月間の休養を発表。病気などが理由ではないとしつつ、「より良い舞台に挑戦するため、自らのコンディションを整えるための時間をいただく」と説明していた。

 礼の休養期間中には、宙組の団員が急死。過重労働などが問題視され、歌劇団は公演スケジュールの見直しなど、改革に取り組み始めている。その影響でこの復帰作「RRR」も元日の開幕予定が5日に延期、公演回数も減り、宝塚大劇場での新人公演は中止となった。

 同作は大ヒットインド映画を宝塚版にアレンジした初の舞台化作品。戦闘シーンを舞踊で表現するなど、原作の迫力はそのままに、宝塚ならではのミュージカルに仕上げた。エネルギッシュなダンスシーンや殺陣もふんだんに盛り込まれ、礼の存在感は休養以前と比べても遜色なかった。同時上演のショー「VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)」でも観客を魅了した。

 初日終演後、礼はまず、能登半島地震の被災者を見舞った後、「この作品に携わってくださいました沢山の皆様、そして何よりも宝塚歌劇を待ってくださっているお客様がいてくださったからこそ、今日を迎えることが出来ました」などとあいさつし、ファンへの感謝を述べた。(小尾絵生)

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