「がんばりましょう」地震被災者らに甘いショートケーキ 石川・七尾市のスイーツ店

イチゴのショートケーキを手に喜ぶ子ども。母は「久しぶりに笑顔が見られた」=6日午前、石川県七尾市(撮影・風斗雅博)

 能登半島地震で大きな被害を受けた石川県七尾市では、6日早朝にも震度5弱を観測した。連日続く余震と断水で日常生活が取り戻せない中、市民を少しでも励まそうと、地元のスイーツ店がイチゴのショートケーキを無料で配布した。

 同市内では同日午後2時現在、5人の死者と住宅200棟以上の全壊が確認されている。

 七尾市役所近くにある「パティスリーアメリ」オーナーパティシエの藤井幸治さんは「甘い物で少しでも幸せを届けたい」と約300個を準備した。

 午前10時の配布を前に長い列ができ、藤井さんは「うちも家の中はめちゃくちゃになったけど、まだましな方。できることをしたい」と話し、手渡すときには「がんばりましょう」と声をかけた。

 同市の平砂真美さん(30)は長男の蒼真君(6)を連れて並び、「地震からぱったりと子どもの笑顔がなくなった。きょうはうれしそうな顔を見られた」と涙目で話した。(上田勇紀)

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