ドローンで見た津波の恐ろしさ 珠洲・宝立町鵜飼、春日野 車のまれ、汚泥覆う

津波で車や家屋が流され壊滅的になった宝立町鵜飼地区=6日午前10時50分、珠洲市宝立町鵜飼(関係機関の許可を得てドローンから撮影)

  ●津波の高さ3メートルか 

 最大震度7を観測した能登半島地震で、北國新聞社は6日、津波で甚大な被害を受けた珠洲市宝立(ほうりゅう)町鵜飼(うかい)・春日野で国、県などの許可を得てドローンを飛ばし、津波にのまれた被災地を撮影した。家屋や電柱、車がなぎ倒され、海底から巻き上げられた黒っぽい汚泥が通りや畑を覆う様子が見渡せ、あらためて津波の恐ろしさが浮かび上がった。(社会部兼写真部・岩岡誠、珠洲支局長・山本佳久)

 同地区では電柱や家屋の痕跡から、津波が沿岸から約150メートル離れた標高3メートルの住宅街まで達したとみられる。

 鵜飼川の河口付近は津波が堤防を越えて浸水した。川沿いの道路には船が乗り上げたままで、宝立町春日の梶山勉さん(72)の自宅庭にある高さ約3メートルの松の枝には、鵜飼漁港から流されたとみられる漁網やロープがぶら下がっていた。

 宝立町鵜飼の谷中勝治さん(75)の自宅は1階が泥水に浸かり、「正月に帰ってくる子どものために仕込んだゆでだこもサザエも全部、台無しになった」と肩を落とした。

  ●電子版に映像

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