リニア静岡工区工事「2027年以降 どこまで延ばせるかというと2037年」川勝知事 リニア開業延期に持論

2024年、静岡県はどこに向かうのか。かじ取り役の川勝平太知事に話を聞きました。1回目のテーマは、こう着状態が続くリニア工事についてです。ここにきて浮上してきたのは「2027年」問題です。果たしてリニアはいつ開業できるのでしょうか。「LIVEしずおか」滝澤悠希キャスターが聞きました。

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いま、大きな局面を迎えるリニア問題。静岡県が問題視していた大井川の水問題について、JR東海は大井川上流にある田代ダムの水を活用し、補う方針です。

国の有識者会議は、JR東海の環境保全対策を事実上、妥当とする報告書をまとめました。リニア工事推進に向けた外堀が埋められつつある中、川勝知事の胸中は。

<滝澤悠希キャスター>
「国の有識者会議の水資源の報告書に続き、『環境保全』の報告書がまとまったことでリニア問題の議論は大きく前進したことになるが、川勝知事の受け止めは?」

<静岡県 川勝平太知事>
「報告書、それ自体は専門家がお書きになったものですが、今度の報告書は問題を解決するわけじゃないですね。どこに問題があるのか、それから何が残されているかというのを明確に書いています」

まだ、静岡工区の着工を認める気はない川勝知事。いま注目しているのはJR東海の「方針転換」です。2023年12月、JR東海はリニア新幹線の開業目標を2027年から2027年以降に変更しました。この決定を川勝知事は「英断」だと評価しています。

<静岡県 川勝平太知事>
「今度の丹羽(俊介JR東海)社長は、(品川-名古屋間の開業が)2027年以降に延びるとおっしゃったでしょ、あれは本当に立派なご判断だと思う」

<滝澤悠希キャスター>
「静岡工区着工はいつになるのが望ましいとお考えですか?」

<静岡県 川勝平太知事>
「それは分かりませんよ。2027年以降ということでしょ。今のところはね、それを明確にした。どこまで延ばせるかというと2037年ということ。それが全線開通の事業計画における最終目標ですから、そこにどう到達するか。時間的余裕もいただいたということで僕は画期的だったと思う。1つの解決の道、光が差した」

どうやら、川勝知事の頭の中ではリニア工事は2037年までに終わらせればいい、との考えのようです。

一方で静岡県はリニア新幹線の建設促進を図る期成同盟会に加盟しています。ちぐはぐな対応に懐疑的な視線が向けられているのも事実です。

<滝澤悠希キャスター>
「静岡県が悪者のようにみえる議論が展開されていることについて知事はどう受け止めている?」

<静岡県 川勝平太知事>
「意図的ですね、それは。言い換えるとね、2027年までに静岡以外のところ、つまり東京から甲府まで、名古屋から飯田まで、これは完全にできるということでしょ、静岡だけできていないということになっていないと静岡だけが理由と言えない」

川勝知事はリニアの部分開業も主張していますが、理解を得られているわけではなく、いまだに問題の着地点は見えないままです。

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