【国東】国東市はコミュニティーバスの利用促進に向けて、ポイントカードを活用した実証実験に取り組む。国東町の計7路線で8日から3月1日まで、乗車してポイントをためると景品を贈る。過疎・高齢化などで乗客が大きく減っている中、公共交通を維持するために利用を増やす方策を探る。
実験の対象は、週に1日運行している国東町内の深江・寺山線、堅来線、赤松線など。バス内で乗客にQRコード付きのポイントカードを配布。乗車ごとに車内のタブレット端末にかざすと1ポイントを付与する。4ポイント以上ためて市政策企画課の窓口でアンケートに答えると、景品を渡す。システム開発業システムエグゼ(東京都)などと取り組む。
路線バスがない地域の「生活の足」を確保するため、市は国東観光バス(杵築市)に委託し、市内の計19路線でコミュニティーバス「おでかけ号」を走らせている。
しかし、過疎・高齢化の進行などで利用が減少。延べ利用者数は2008年の1万5444人から、22年は8590人になった。ほぼ利用がない路線もある。
市は路線維持に向け、住民が「出かけたい」「バスを使いたい」と思う需要を生み出す仕掛けとして、ポイントカードを試す。
システムエグゼが和歌山県橋本市で実施した実験では、利用者が1.5倍(前年同月比)に増えたという。
松井督治市長は「取り組みを通じて問題解決の糸口を見つけたい」と話している。