配偶者と離婚してひとり暮らしを始める男性は多いですが、窮屈だった結婚生活からひとりになった自由は言いようもないほどの解放と充実を感じます。
一方で、それまであまり手を出す必要のなかったことをひとりで切り盛りする必要も出てきて、大変だったり寂しかったり、自由には孤独もまたつきまとうもの。
「離婚後のひとり暮らし」を送る男性たちに、どんな現実なのか聞いてみました。
「会社に出入りする保険会社の女性と仲良くなり、妻に隠れて食事やドライブに誘っていたら、LINEを見た妻から責められて離婚になりました。
子どもがいるし、俺は『こんなことで』と思ったけれど、妻は『家族に嘘をついてよその女性を口説くような男と暮らしていけない』とずっと言っており、向こうの両親も出てきてかなり揉めましたね。
俺の親も『ここまでこじれたら修復は無理だろう』と別れることを勧めてきて、仕方なく離婚届に記入しました。
家族で住んでいた賃貸のマンションを解約して、妻は子どもを連れて自分の実家に戻り、俺はひとり暮らしを始めました。
離婚のときに俺がこだわったのは子どもとの面会交流で、月に3回は多いと言われたけれどそれだけは譲れず、娘も会いたいと言ってくれたので今のところ順調に叶っています。
会社に離婚を報告し、同僚たちにも話してたまに飲みに行けるようになったのは楽しいけれど、先日とんでもない話を聞きました。
いま住んでいるアパートの近くに同じ会社の女性社員が住んでおり、妻が娘を連れて来るのを何回か見かけたとかでそれが『離婚したばかりなのにもう子持ちの女性と付き合っている』と思ったらしく、知らない間に噂になっていて。
元妻と娘を知らなかったらそうなるか、と思うけれど、『奥さんと子どもを捨てたひどい人』と勝手に決めつけられるのは精神的にこたえましたね……。
あれは離婚した妻と娘で面会交流なのだと説明すれば済むのですが、それもまた別の噂を生みそうで、近い同僚たちにだけ話してひたすら耐えました。
部屋に帰っても近所の社員の目が気になるし、正直安らげません。
元妻にこんな事情を話すわけにもいかず、それからは俺のアパートではなく遠くの公園で待ち合わせをしています。
部屋にひとりでいると、『俺が望んでこうなったわけじゃない』とやり場のない怒りが湧いてくるし、でも今さら離婚について蒸し返すのも余計にストレスだし、今は趣味の映画を観て無心にやり過ごすことだけを考えています」(43歳/営業)
人の離婚後について無粋な関心を寄せる人は少なからずいますが、詳しい状態を知らないのに新しい交際相手がいると決めつけるのは、失礼ではと感じます。
噂を否定することはできるけれど、事実を話せばまたそれがいろいろな憶測を呼ぶ可能性はあり、周囲の関心が消えるのを待つのが最善です。
離婚の事情がどうであれ、目の前の現実から逃げることはできないのなら、少しでもストレスを減らす過ごし方を意識するのが健全といえます。
(ハピママ*/ 弘田 香)