那珂川の107歳、世界最高齢の現役理容師に認定 米調査会社トップが授与、散髪も 箱石さん「最高にうれしい」

マイヤーズさん(右)から認定証を受け取った箱石さん=7日午後、那珂川町谷川

 100歳を超えても元気にはさみを握り続ける栃木県那珂川町谷川の理容師箱石(はこいし)シツイさん(107)は7日、世界各地の高齢者の歩みを発信する米国の調査会社「ロンジェビクエスト」から「世界最高齢の現役理容師」として認定を受けた。同社のベン・マイヤーズCEO(33)が同日、箱石さん宅を訪れ、長寿を祝うとともに散髪を受け、熟練の腕を堪能した。箱石さんは「理容師を始めた時から一生続けたいと思っていた。認定は夢にも思わず、最高にうれしい」とほほ笑んだ。

 同社は欧米やアフリカなど世界約100カ国で、数々の困難を乗り越えた高齢者の人生史をウェブメディアで紹介し、顕彰している。国内ではこれまで、110歳以上で同社が取材できた高齢者4組に認定証を直接授与している。箱石さんは同社の調査で世界最高齢の現役理容師として認められ、マイヤーズさんから認定証の盾と花束を受け取った。

 箱石さんは、戦前の東京で理容師になり戦中に那珂川町へ移ったことや、2021年の東京五輪で聖火ランナーを務めたことなどを説明。「世界で一番エキスパートの理容師に切ってもらいたくて髪を伸ばしてきた」というマイヤーズさんの髪を切り、顔そりまで丁寧に行った。

 マイヤーズさんは「きれいに切ってもらえた。今まで100歳以上の方と多く会ったが、箱石さんが一番元気」と話し、箱石さんと固く握手。箱石さんは「マイヤーズさんの髪を切れて元気が出た。これからも頑張れる」と力を込めた。

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