〈1.1大震災〉高岡、災害ごみ続々 仮置き場開設

倒壊した灯籠やブロック塀を捨てる市民=高岡市長慶寺のストックヤード

  ●灯籠、ブロック塀の山 運べない物は放置

 能登半島地震で被災した高岡市で7日、災害ごみを受け付ける同市長慶寺のストックヤード仮置き場には雪が降る中、倒壊した灯籠やブロック塀、家電などを持ち込む車が続々と訪れた。休日の開設に市民は「平日は仕事で持ち込めないので助かる」と歓迎する一方、「運べないごみの処分はできないので当面は放置するしかない」との声も漏れた。

 市では震災を受けて3日からストックヤードに災害ごみの仮置き場を開設。当初はヤードの一角のみだったが、週末に片付けが集中して持ち込みが多くなるとみて5日からヤード全体を仮置き場とした。灯籠やブロック塀、家電、ガラスなどを受け付けている。

  ●無償回収にも依頼殺到

 被災当初から倒壊した灯籠やブロック塀が運べないとの声が多く寄せられたことから、市は5日から無償で回収を始めた。ただ、依頼が殺到したため、交通の妨げとなる道路に面した場所での撤去を優先している状況だ。

 昭和町の福田一芳さん(61)は自宅の庭の灯籠が倒壊し、ストックヤードに持ち込んだ。重量があるため持参したのは一部のみで、土台部分は放置されている。「最終的にいつ片付けが終わるのか見当も付かない」と悩ましげに話した。

 市環境政策課によると、連休初日の6日からひっきりなしに市民が訪れ、灯籠やブロック塀が山のように積み上がっていったという。野村の男性(45)も4人がかりで灯籠やブロック塀を持ち込み、「家にあっても仕方がないので、無理してでも持ってきた」と語った。市は今後、自前で災害ごみを処理した人への補助制度も創設する。室谷智環境政策課長は「多くの災害ごみを受け入れることで、少しでも早い高岡の復旧につなげたい」と意欲を示した。

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