春高バレーで初の決勝進出…福井工大福井が魅せたブロック 駿台学園(東京)と1月8日に頂上決戦

春の高校バレー第4日、福井工大福井―鎮西 第1セット、ブロックを試みる福井工大福井の森本泰地(5)=1月7日、東京体育館

 バレーボールの第76回全日本高校選手権(春の高校バレー)第4日は1月7日、東京体育館で男女の準決勝が行われた。福井県勢は男子の福井工大福井が前回準優勝の鎮西(熊本)に3-0で勝ち、県勢初の決勝進出を決めた。8日の決勝では、前回覇者で3度目の優勝を目指す駿台学園(東京)と戦う。⇒【決勝】福井工大福井vs駿台学園の結果はこちら

 初のセンターコートで福井工大福井の選手が躍動した。

 第1セットの立ち上がり。「チームの緊張を吹き飛ばすようなプレーを」と臨んだ主将の堤凰惺。センター吉田楓をおとりに使う時間差のスパイクをレフトからたたき込んで初得点。直後には敵陣コートの右奥に強烈なバックアタックを決めた。「絶対に逃げないハードヒットが持ち味」(西田靖宏監督)のエースの豪快な2得点がチームを勢いづけた。

 それでも一筋縄ではいかない。鎮西は前回大会の準々決勝で惜敗した難敵。相手に何度も流れが傾いた。勝機を手繰り寄せたのが要所でのブロックだった。

 第1セット、追い上げられ12-12の場面。途中出場の森本泰地が強烈なジャンプサーブで崩し、長谷川翔大、山本快の2枚ブロックで得点する。能美偉時のブロックも飛び出し15-12。流れを止めようと相手エースが初めてコートに入ったが、最初の強打を長谷川、山本の2枚ブロックではじいて得点につなげ、直後のスパイクもはね返した。

⇒春高バレー、男女福井工大福井の戦略とメンバー

 第2セットは19-20と競り合う場面から丸山英祐が2連続ブロック。「(スパイクを打った選手が)ストレート側に打つデータがあった。狙い通り」と丸山。第3セットは森本が相手エースの強打を次々と封じ、この日チーム最多5本のブロックを決めた。ブロックによる得点は相手より11点も多い合計13点。森本は「インターハイ(全国高校総体)以降、チームで強化してきたブロックの成果が出せた」と誇った。

⇒福井工大福井の西田靖宏監督の略歴

 県勢初の決勝進出。しかし堤主将は「自分たちが目指しているのは日本一。まだ喜べない」と笑顔は見せず、さらにチームの歴史を刻む覚悟をにじませた。

© 株式会社福井新聞社