【全国高校サッカー決勝・戦力分析】青森山田 攻守に安定、優位 / 近江 強豪連破し勢い

 青森山田は前線からの激しいプレス、左右のクロスからゴールに迫るサイド攻撃が突出している。4試合で13得点2失点と攻守に安定感があり、総合力で優位に立つ。近江はドリブルとパスを絡めた多彩な攻撃で4試合9得点。全国高校総体を制した明秀日立、プロ内定選手を擁する神村学園などの強豪を次々と下して初の決勝進出を決めており、勢いがある。

 青森山田はボールを失ってから守備に切り替える速さが際立ち、2人、3人で相手を取り囲んで奪い返す。パスコースを限定された相手がロングボールを放り込めば、空中戦に強いセンターバックの山本、小泉がはね返し、こぼれ球を拾う。相手をゴールに近づけず、打たれたシュート数は1試合平均で5本以下に抑えている。

 攻撃面では、サイドからのクロスで大半の得点を演出。MF芝田の精度の高いキックに長身の小泉らが合わせるセットプレーも脅威となっている。

 近江はポジションを流動的に入れ替えながら、相手のマークをかく乱。ドリブルで相手を引きつけてから空いたスペースにパスを送り、得点に結びつけている。4試合のシュート数は計44本で青森山田を2本上回る。

 主将の金山は、好機とみれば3バックの位置から果敢に攻め上がり、逆サイドからのクロスに合わせるなど得点に絡む。準決勝の堀越戦ではより攻撃的な左ウイングバックで起用され、スピードに乗ったドリブル突破で相手守備を切り裂き、勝利に貢献した。

 決勝では神出鬼没の金山の動きに青森山田がどう対応するかがポイントの一つだ。近江は青森山田のプレスやセットプレーへの対処が鍵を握る。

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