3棟全焼2人死亡 青森県佐井村

全焼した萬谷さん方(右)と池田さん方(左)=7日午前9時10分ごろ、佐井村佐井

 7日午前4時50分ごろ、青森県佐井村佐井で住宅が燃えていると119番通報があった。大間署によると住宅3棟が全焼し、このうち2棟から性別不明の遺体が1人ずつ見つかった。火災後、2棟でそれぞれ1人暮らしをしている同村佐井原田、無職萬谷弘子さん(79)、同村佐井原田川目、無職池田ソヨさん(86)と連絡が取れていないという。同署は身元の確認を進めるとともに、出火原因を調べている。

 全焼したのは萬谷さんの木造平屋約63平方メートル、池田さんの木造平屋と小屋2棟計約108平方メートル、同村佐井原田、無職長内和広さん(73)の木造一部2階建て約147平方メートル。逃げて無事だった長内さんから火災について聞いた通行人が通報した。

 現場は村役場の北東約3.3キロ。住宅3棟はそれぞれ道路を挟んで立っている。近くの住民によると、出火当時は風が強かったという。池田さん方の隣に住む男性(63)は「火の勢いがものすごくて、真っ赤な火の道路のようになっていた。こんな火事は見たことがない」と語った。

 現場から数十メートルの距離にある特別養護老人ホーム「ゆうなぎの里」の藤田隆施設長(68)は「風向きから施設には火の手が来ないと判断し、職員には冷静に対応するよう呼びかけた」と振り返った。萬谷さんとは親戚で、池田さんとも親交があったといい「ごみ捨てなどで顔を合わせれば常に言葉を交わしていた。消防隊員に2人が無事か真っ先に尋ねたが『分からない』と言われて…」と肩を落とした。

© 株式会社東奥日報社