ブレントフォードのトーマス・フランク監督がFAカップの“リプレイ”に苦言を呈す プレミアリーグの7チームが再試合に

写真:再試合を行うことになったフランク監督は苦言を呈した

現地時間1月5日から8日にかけてFAカップ3回戦が行われており、このラウンドからプレミアリーグとチャンピオンシップ(2部)のチームが登場する。FAカップは世界最古のトーナメントとして知られており、最初の試合で勝敗が決まらなかった場合、延長戦に進まずホームとアウェーを入れ替えて後日再戦する“リプレイ”が伝統となっている。

現在のFAカップのレギュレーションでは、4回戦まで再試合が行われている。最初の試合で引き分けとなった場合は再試合となり、再試合でも引き分けとなったら、延長戦、PK戦と進み決着をつけることになる。5回戦以降は再試合は行われず、90分間で勝敗が決まらなければ、延長戦、PK戦と進む。

特にプレミアリーグの監督たちは、過密日程にさらなる拍車をかけるこの“リプレイ”制度に嫌悪感を抱いている。すでにFAカップ3回戦の全32試合のうち、31試合が終了しており、現地時間1月8日に行われるウィガン vs マンチェスター・ユナイテッドの試合が残されている。その中で8試合が引き分けに終わっており16チームが再試合を戦うことが決まっている。プレミアリーグのチームでは、クリスタルパレス、エヴァートン、ブレントフォード、ウルブス、ウェストハム、ノッティンガム・フォレスト、ルートン・タウンの7チームが再試合を行うことになった。

プレミアリーグに所属するチーム同士の一戦となったブレントフォード vs ウルブスの試合は1-1の同点に終わり、ブレントフォードのトーマス・フランク監督は「あらゆる面で最悪の結果だ」と語り、再試合に憤りを感じているようで以下のように続けた。

「なぜリプレイがあるのか理解できない。(再試合では)ウルブズがホームアドバンテージを得られることになるが、彼(ウルブズのギャリー・オニール監督)も同じことを言うだろうと確信している。なぜまた試合するのだ?なぜサッカー界では誰もこれを変えようとしないのだろう?彼らはもっと賢明な決断を下す必要がある」

エヴァートンと引き分けた、クリスタルパレスのロイ・ホジソン監督も「ある意味、どちらもが望んでいなかった結果に終わった」とコメントを残している。

一方で、反対の意見を持つ監督もおり、UEFAヨーロッパリーグも勝ち進んでいるウェストハムのデイヴィッド・モイーズ監督は「それについてはまったく問題ない」と発言。「今年はたくさんの試合を戦ってきたが、さらに1試合増えても問題ない」と語った。

下部リーグに所属するチームにとって再試合は、新たな収入を得られるチャンスとなるため“リプレイ”に賛成する立場のチームも多く、現在3部に所属するボルトンのイアン・エバット監督は「再試合により得られる追加収益と、スタジアムを満員にすることは、私たちが望む場所に戻るために役立つだろう」と語っている。

© 株式会社SPOTV JAPAN