中国、英MI6スパイ拘束 国家機密など入手と発表

北京の天安門広場で掲揚される中国国旗

 【北京共同】中国でスパイ摘発を担う国家安全省は8日、英国外での情報活動を担う英秘密情報局(MI6)のスパイ事件を摘発したと発表した。国家機密など17件を入手していたとして、外国人1人を拘束した。

 中国は2014年以降に反スパイ法や国家安全法の制定を通じ外国人を厳しく監視している。昨年7月には改正反スパイ法を施行し、アステラス製薬の日本人社員が10月にスパイ容疑で逮捕されるなど、取り締まり強化に懸念が強まっている。

 国家安全省によると、MI6は、英国籍ではないこの外国人と15年に「情報協力関係」を構築。英国などでインテリジェンスの専門研修を行ったり、スパイ用の機材を提供したりした。この外国人を度々中国に入国させ、国家機密9件と、その他の機密情報など計17件を取得させたという。

 昨年9月には、ロンドン警視庁が中国のためにスパイ行為をした疑いで、英議会の調査担当者ら男2人を逮捕していたことが判明し、中国は反発していた。

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