岸田総理に新春インタビュー 政治とカネ「強く覚悟を決めている」

岸田総理は、新年の意気込みを聞くRCCのインタビューに応じました。インタビューは12月下旬に行われました。この中で政治とカネの問題について「ことしは強く覚悟を決めて取り組まなければならない」と決意を語りました。

「歴史に残るサミットに」

まず、去年、被爆地で初めて開かれたG7サミットについて聞きました。

岸田文雄 総理
「特に分断・対立が進む国際社会の中でわたしたちはやはり何かまた再びよって立つものをしっかり確認をして、拠り所とする考え方、これをしっかりと確認して再び協調して、この気候変動をはじめ地球規模の課題にも向き合っていかなければならない、こうした再び国際社会が一致して協力する拠り所を確認する、こういった意味で重要な会議だったと思います」

「拠り所すなわち、やはり法の支配、国際法をはじめとする法の支配に基づいて自由で開かれた国際秩序を考えていく。法の支配ではなくて力によって一方的に現状変更を試みるこういった動きがあるけれど、そういったことが世界のどこであっても許してはならない。こういったことについてG7のみならず、インドやブラジルやインドネシア、そしてウクライナのトップも広島に集まってくれた。そして同じテーブルを囲んで、今、言った考え方に基づいて協力すべきことは協力すべきだということを確認した、このことは大変大きな意義があったと思います」

「これに加えて気候変動であったりAIであったり経済安全保障であったりエネルギーであったり、こういった課題に向けて国際社会が協力をする、こういった点も確認できた。本当に歴史に残る幅広い意義あるサミットであったと思っています」

ライフワークである“核兵器のない世界”については―

「現実を理想にどう導くかを示す」

岸田総理
「わたしたちの周りで現実、核が開発されている、北朝鮮による核やミサイルの開発が続けられている、そして世界を見た場合に核による威嚇も行われている。この現実に対してやはり国民の命や暮らし本当に責任をもって守れるのか。こういった課題に政治は真剣に向き合って、そして責任を果たしていかなければならない。これは厳しい現実だと思います」

「しかし、同時に未来に向けて核兵器のない世界を目指す理想、これは決してあきらめてはならないと思います。この現実と理想、決して矛盾するものではありません。政治の役割はですね、現実と理想をどう結び付けるのか、現実を理想にどのように導いていくのか、このロードマップをしっかりと示すということが政治の大きな責任だと思います」

岸田総理は、今後も自らが提唱したヒロシマアクションプランを実践していくとしています。

一方、厳しい政権運営についてはこう述べました。

「政治不信を深刻に受け止め」

岸田総理
「世論調査の結果等については厳しい声は謙虚に受け止めたいと思います、しかし政治は結果ですので、経済対策についても昨年、総合経済対策、日本の国が30年間、続いたデフレの悪循環から脱却するために必要な政策、これを厳選して議論を行い、そして決定をした、こういった対策を用意しました。ぜひ、この対策、これ裏付けとなる補正予算も成立をさせ、そしてさらにはことしと令和6年度の予算も編成を行いました」

「こうした成果をしっかり示すことで国民のみなさんに政策についてもご理解いただきたいと思います。そして、それ以外にも社会、あるいは外交、さまざまな分野において先送りできない課題にしっかりと責任を果たしていく、そして結果を出していく。このことで国民のみなさまのこうした政府の取り組みについての理解を得ていく、これに尽きると思っています」

「しかし、それにつけても昨今、この政治とカネの問題、政治の信頼が揺らいでいる。このことは深刻に受け止めなければならないと思います。政策の実行は国民のみなさんの信頼、あるいは政治の安定があればこそだと思います。だからこそ、今言ったように政策において結果を出すためにも政治の信頼回復に向けてわたし自身、自民党の総裁、トップとして先頭に立って、ことし(2024年)は取り組まなければならない、強く覚悟を決めています」

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