中東テレビ局記者が犠牲 家族死亡後もガザ報道

イスラエル軍の攻撃で亡くなった息子ハムザ氏の葬儀で、娘らの肩を抱くアルジャジーラのガザ支局長ワエル・ダハドゥーフ氏=7日、ガザ地区南部ラファ(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、パレスチナ自治区ガザで取材していた記者2人が7日、イスラエル軍のミサイル攻撃で死亡した。1人は同社ガザ支局長ワエル・ダハドゥーフ氏の長男で同社記者のハムザ氏(27)。ワエル氏は昨年10月に空爆で妻と子ども2人、孫を失った。ハムザ氏は家族を失った悲しみをワエル氏と共有しつつ報道を続けたが、家族5人目の犠牲者となった。

 アルジャジーラは既に複数の記者がガザで死傷しており、イスラエルを強く非難した。ワエル氏は家族が犠牲になった後も取材を続け「ガザ報道の顔」(同社)になっている。今回の悲劇を受け「長男は私の全てだった」と悔やんだ。

 映像記者でカタールのテレビ局などに協力していた20代のムスタファ・トゥリア氏も死亡した。ハムザ氏とトゥリア氏の2人は避難民取材のため、ガザ南部を車で移動中だった。イスラエル紙ハーレツによると、軍は2人が「テロリストと同乗していた」と主張した。

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