夏の猛暑が原因?…イチゴ狩り園が苦戦 生育遅く例年通り開園できず 資材・燃料高騰のWパンチも 期待は「砂糖並み」に甘い新品種 静岡市

イチゴ狩り客:「ちょっと酸味があるかな。でもおいしい」

静岡県内の年末年始の風物詩といえば「イチゴ狩り」。伊豆の国市・南江間では、2日からイチゴ狩りがスタートしました。そして、イチゴ狩りといえば…。

伊地健治アナウンサー:「静岡市の久能海岸です。天気が良く、太陽の光が降り注いでいます。その恵みをいっぱいに受けて育つのは、ハウスの中にある石垣イチゴです。いよいよイチゴ狩りシーズンの始まりです」

静岡市の久能地区でも年末年始にかけて、イチゴ狩りが始まりました。しかし…。

こちらのイチゴ狩り園では、通常3が日には開園していましたが、今年はちょっと様子が違っていました。

マルダイ園主 大石末廣さん「ここが状況が悪い所です」
「このハウスは、実が所々についているというぐらいで、まだ花の状態か、実も白というより緑色ですね」

今シーズンは、イチゴの苗の生育が遅く、まだ開園できていません。この農園では、9割の苗を北海道から仕入れていますが、暑さの影響を受けたからか、生育が遅いといいます。

伊地アナ:これは暑さのせい? 夏の?
マルダイ園主 大石末廣さん:「ではないかと思うんですけど、いままでこんなに遅れることはなかった」

さらに…

大石さん「ビニールが7年前に比べるとほぼ倍になっている。肥料もコロナの影響で3割は上がっている」

伊地アナ「ビニールはそんなに頻繁に使いますか」
大石さん「毎年張り替えます」

その他、組合に支払う地下水の料金や水をくみ上げるための電気代も値上がりし、苦しい状況が続いています。

大石さん:「今年は入園料を値上げさせてもらうということで、予約を取ったが。予約が10分の1か20分の1に減った。2400円を400円アップして2800円にした…」

結局去年より100円高い2500円に料金設定を変えました。

伊地アナ:利益は出るのでしょうか?

大石さん:「最初に設定した2800円くらいがいい。大変ですよ」

救世主は『新品種』

そんな大変中、お客さんに満足してもらおうと新たな試みも始めました。

長女・大石千鶴さん:「2年前ぐらい前から『よつぼし』という新品種を栽培しています。なので、うちでは章姫、紅ほっぺ、よつぼしのイチゴ狩りがメーンです」

娘さんに案内してもらいました。

伊地アナ「ここはずいぶんなってますね、赤い実が多いですね。ハウスに入ってみて驚いたんですけど、イチゴの甘い香りがすごいですね」

試験的に通常料金+100円で、3品種のイチゴをたのしめるプランをスタートさせました。

大石千鶴さん:「私も食べてみてびっくりしたんですけど、とにかく甘いんですよ。お砂糖食べているみたいに。よつぼしを買ったお客さんは、よつぼしをリピートして買っていく。それくらい満足していただける」

試食した伊地アナ…。

伊地アナ「甘い。後から甘さが来ますね、砂糖ついてるのこのイチゴ、というような甘さがある」

苦しい中でも新しい品種を取り入れて、お客さんの満足度を上げようとしています。

大石千鶴さん:「おいしいイチゴを安く提供したいという気持ちはあるんですけど、なかなかそれが出来ない 心苦しいという思いで栽培している。せめて、おいしいイチゴをいっぱい食べて、楽しい時間を過ごしていただきたい。ここに来たお客さんみんなが笑顔になって帰っていただけるような、そういうイチゴ狩りにしていけたら」

こちらの農園は、1月13日に開園する予定です。

© 静岡朝日テレビ