「アロワナレコード」ボーカル&ギター藤井陸さんは福井出身 郷愁誘う柔らかな声、古里の原風景表現した曲も

「いつか福井でもライブをしたい」と語る藤井陸さん=東京都内
5人組ポップスバンド「アロワナレコード」

 東京を拠点に活動する5人組ポップスバンド「アロワナレコード」。福井県福井市出身の藤井陸さん(25)が、ボーカル&ギターで作詞作曲もこなす。福井で過ごした日々から着想したナンバーなど、どこかノスタルジアを感じさせる曲をハイトーンの柔らかい声で歌い上げる。

 カーステレオなどから流れてくるフォークソングや歌謡曲を聴いて育ったという藤井さん。「歌うのが大好きだった。歌うならギターも弾けたらいいな」と、中学卒業時にギターを買ってもらったことが、バンド活動の原点になっている。

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 高志高校時代はギター同好会に入るも、メインはバレー部。「東京で音楽活動をやりたい」と都内の大学に進み、コピーバンドサークルで腕を磨いた。3年生の2019年にサークルのメンバーらとアロワナレコードを結成。都内のライブハウスを中心にパフォーマンスを披露している。

 「特によく聴いていた井上陽水さんの影響を受けている」と藤井さん。作詞では過ぎゆく日々のはかなさや切なさ、それゆえのいとおしさを素朴な言葉で紡ぐ。「サンセットタウン」は幼少期や学生時代の帰り道や休日を想起させるバラードナンバーで「思い浮かんだ福井での原風景を表現した」という。「愛の行先」のミュージックビデオ(MV)は福井県内で撮影。実家の理髪店で父親に髪を切ってもらったり、足羽川を散策したりするシーンが登場する。

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 昨年11月にはサンセットタウンや愛の行先など全6曲を収録したバンド初のミニアルバム「幸せを願えるように」をリリース。「父や母、地元での出会い、自然豊かな風景など上京したからこそ見えてきた景色を再構築した」という。11月に名古屋、12月に大阪でアルバムリリースを記念したライブを行った。今後、地方での活動にも力を入れていくことを考えている。「2024年は飛躍の年にしたい。いつか福井でライブしたり、フェスに出演したりしたいですね」

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