駆け引きが多いグランプリで予想を的中させる為の考え方とは!?『究極のボートレースガイドブック』

永島流レース予想実践編!!

さあ、それでは今までお伝えしてきたいろいろなボートレース予想の知識を踏まえて、実際のレースの予想方法をご披露しましょう!レース場にいるなら出走表を手に持ち、自宅で楽しんでいるならボートレースオフィシャルホームページを参考に予想しましょう!ずっとお伝えしているとおり、ボートレース予想の基本は「インが強い」ということ。

なので、まずはインが勝てそうな確率の高いレースを狙ってみましょう!最近のボートレースにはモーニングレースというものがありまして、普段は10時ぐらいから(スタート展示が)始まることが多いのですが、それよりも早い8時過ぎから始まるレースがあります。現状は5つのレース場で開催中。このモーニングレースの特徴は「シード番組が多い」ということ!シード番組とは、決まった枠番にA級のレーサーが入り、他の枠番にはB級のレーサーが比較的多く入るレースです。

そうなると自然に力上位のA級のレーサーが勝ちやすく、A級レーサーから舟券を狙いやすくなります。その中でもモーニングレースの1レース目はかなり極端なシード番組が組まれているレース場が多いのです。1号艇にA級レーサーが入り、そのほかは全部B級レーサーとなると、絶対的に1号艇が人気を集めます。もちろんこのときの1号艇が1着以外になると配当はかなり高くなりますが、こういったシード番組は素直に1号艇から狙うのがいいと思います。

レース予想実践:2019年12月21日 住之江12レース

【予想の決め手】1着だけを狙う選手はスタートを決めてまくるのみ!まくりからのセット舟券、まくるレーサーの横

皆さんに私がハマった伝説のレースをご紹介させてください。気持ちいいまくりが決まった1戦!2019年の第34回グランプリから5 日目トライアル2の12R。グランプリは年末に行われるボートレース界の最高峰レースです。約1600人いるボートレーサーの中で年間獲得賞金ランキング18位までの選手しか出場できないボートレース界の夢の舞台です。優勝賞金はなんと1億円!(2023年からは1億1000万円)。

このレースは4号艇で出場の石野貴之選手(大阪支部)に注目。3日間あるトライアル2と呼ばれる予選の最終日。このレースまで3着、2着とした石野選手は、ここまで得点トップの毒島選手との直接対決!石野選手が最終日の優勝戦で1 号艇のポールポジションをゲットするには、何が何でも3号艇の毒島選手に勝つことが第一条件。理想は1着を取ってかつ毒島選手を大敗に追い込むこと。そうなれば自身が優勝戦1号艇となり、1億円が現実的になってきます。このような厳しい条件での1戦で、石野選手は伸び足のかなり良かったモーターをもう少し伸びよりにして挑みました。チルトを0度にしていることからもそれはわかりますね。

スタート展示では6号艇の菊地孝平選手が進入から動きを見せて、進入は12346/5ダッシュは5号艇平本選手の単騎でした。実はここから戦いは始まっていたのです!スタート展示では5 コースとなった6号艇の菊地選手ですが、本番ではもっと強引に内を取りにいく可能性も考えられました。いざ本番の進入。6号艇の菊地選手が内を伺いにいくと石野選手は抵抗するそぶりも見せない。2 号艇も3号艇もそこまで抵抗しない。その結果、菊地選手はどうせなら取れるだけ内を取ろうと2コースまで進入しました。

ズバリ、石野選手はこれを狙っていたのです。カド選択です!ダッシュのカドが欲しかった石野選手は、自分がカドになるように最後まで2号艇の池田選手も引き付ける見事な進入でした。結果、1632/45という進入に。カドになった石野選手のやることは、スタートを決めてまくるのみ!ただ、この場面でスタートを決めるのも至難の業!しかし、そこはさすが知り尽くした地元のボートレース住之江の水面。何千回、いや何万回もスタートをしてきたこの水面でスタートを決め、チルト0度の伸びを活かして一気まくり!これぞまくり! 渾身のまくりを決めた石野選手が1着となり、逆にまくられた3号艇の毒島選手は、石野選手のもくろみどおり6着に敗れました。

こうして、最終日ファイナル優勝戦の1号艇をゲットした石野選手がそのままグランプリ初制覇を成し遂げたのです。このレース、私が的中させることができた要因は以下の3つでしょう。

・本番はスタート展示とは違う進入で何かが起こると想像した
・石野選手が伸び調整をしていたことを見ていた
・予選得点トップを狙うなら「1着を取ってかつ毒島選手の結果次第」。とにかく1着だけを狙うレースをして得点トップを目指し、地元・住之江ならスタートもしっかり決めるはずと考えた

これらから紐解いた1戦でした。石野選手を信じた結果、4–5–1の21,430円という2万舟券を的中できたというわけです。まくりからのセット舟券、まくるレーサーの横。見事にハマったまくり勝ちでした。

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

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