寒ざらしで増すうま味 日光東照宮でそば仕込み 600キロを氷張る池に

池に玄ソバを運び入れる日光例幣使そば街道推進協議会の関係者

 【日光】県や日光、鹿沼両市のそば店などで組織する「日光例幣使そば街道推進協議会」は9日、山内の日光東照宮社務所前の「洗心(せんしん)池」で寒ざらしそばの仕込みを始めた。

 池は日光連山の伏流水を利用した世界遺産エリア独自の上水道を引き込み、祭神徳川家康(とくがわいえやす)の神号にちなんで「権現水」と呼ばれている。

 仕込み作業は毎年、寒さが増すこの時季に東照宮の協力を得て実施。この日は午前9時から、池の前で東照宮の神職による神事が執り行われた後、白装束の同会関係者らが玄ソバ約600キロを氷が張った池の水に浸していった。

 3日ほどして池から引き上げ、寒風にさらすなどすることでうま味が増すという。完成した寒ざらしそばは、4月以降に日光、鹿沼両市の加盟店で売り出される。

 同会の米山慎太郎(よねやましんたろう)会長は「年々、寒ざらしそばが認知されてきてうれしい限り。楽しみに待っているお客さまがいるので、今年もしっかりおいしいそばを作りたい」と話した。

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