後藤祐樹 現地入り批判に反論「各自治体は独自で物資募集されている」 能登半島地震被災地支援の経緯説明

千葉県八街(やちまた)市議で、元EE JUMPのタレント後藤祐樹(37)が8日、都内で行われた映画「18歳のおとなたち」(3月1日公開)の全国公開を記念した「新成人を祝う会」にゲスト出演。イベント終了後、能登半島地震の被災地を訪れたことについて経緯を説明した。

同県が、能登半島方面への不要不急の移動を控えるよう要請。受け入れ困難として事前連絡のない救援物資の搬入をしないよう呼びかけているため、後藤の被災地入りには賛否両論がある。八街市にも、批判の声が約50件寄せられているという。

地震が発生した1日に、後藤は自身のSNSで被災地支援を表明。阪神大震災や東日本大震災でもボランティア経験がある人物を筆頭に8人が同行したという。3日に出発し、4日に水1.2tやカップめん、レトルト食品、缶詰や生理用品、おむつなどの物資をトラックなどで石川県七尾市に運んだ。

後藤は、批判に「まず一部の状況、一部の情報だけしか見えてない方たちだと思っている」と反論。被災地入りを非難する声にも「来るなという形でアナウンスされていたのが、そもそも石川県自体だったじゃないですか。ただ、他の石川県の中の各自治体、市町村は独自で物資を募集されている。そもそも県と市町村の連携がちゃんとなされてないんじゃないか、というのが僕の意見です」とした。

事前に七尾市役所に確認し、必要な物資を聴いた上で公的施設のみ4カ所に物資を届けたという。同県の珠洲(すず)市にも向かう予定だったが、通行止が多く引き返したと振り返った。「七尾市に向かう道と、珠洲市とか北部に向かう道がぶつかる交差点があるんですよ。問題となっている国道249号線。交差点がかなり渋滞してまして、ガソリンスタンド待ち渋滞なんです。渋滞にはまってしまえば元も子もないので、ちょっと遠回りになるんですけど迂回(うかい)して役所に向かっていました」と、慎重にルートを選んだ。

現地の状況について「七尾市は郊外というよりは、中心部に近ければ近いほど被害が大きい。おのずと物資をもらいに来ている市民が多い。やっぱり行列ができていた。やはり、物資が圧倒的に足りてないなという感覚は現地に行ってみて思いました」と語った。

八街市議としてではなく、個人として行ったことを強調。旧知の企業の協力や、ホームセンターを回るなどして物資を調達した。「3日の時点で1000人しか自衛隊が入っていなかった。あの広い地域を状況把握が1日でできるとは到底思えない。はっきり言って、国の初動の遅さなのかな」と指摘した。

れいわ新選組の山本太郎代表(49)が被災地に入り、自衛隊の炊き出しカレーを食べ批判されていることについては「すごくいいじゃないですか。山本太郎さんも、今回初めてのボランティア活動ではない。今までNPOの方たちと共にされてきた。行くなと言われているのに行ったこと、カレーを食べていることに叩かれていると思うので、そこに関しては叩いている方たちも論点がずれている」とかばった。

今後は「物資のボランティア活動はいったん控えようと思う。各市町村の要請があれば進んで協力したい」と、復旧作業ボランティアの必要時に協力するとし、すでに重機やダンプカーの提供を取り付けているという。

被災地を訪れた経験を、八街市の防災計画にも生かしたいという。「ボランティアのマナーみたいなものがある。ボランティアとして活動してきた方だったりとか、経験と知識を備えた方たちと一緒にボランティア活動ができないのであれば、本来いくべきではない。ボランティア活動をしない方がいいのかなとは思います」と訴えた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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