国民・玉木代表 能登半島地震被災地入りしたれいわ山本代表を批判「非常に残念。みんな行きたいですよ!」

国民民主党の玉木雄一郎代表(54)が9日、国会内での定例会見で、れいわ新選組の山本太郎代表(49)が5日に能登半島地震の被災地入りしたことに触れ「非常に残念だと思います。みんな行きたいですよ!」と批判し、自制を求めた。

国民民主党を含めた与野党6党は5日の党首会談で、救助活動などの妨げになるとして、所属の国会議員による当面自粛することを申し合わせている。

玉木氏は「私も含めて、今すぐ(被災地に)飛んでいきたいんですよ。あれだけの震災があって、東日本大震災も経験しているし、西日本豪雨災害でボランティアに入ったし、この前の秋田の水害でもボランティアに入っている。いろんなことを経験したから、現地に行きたい思いは誰よりもあります」と、はやる気持ちを抑えているとした。

現地の関係者からも、つぶさに情報を収集する玉木氏は「今は復興を速やかに進めるために、まずは電気、水道を通す。道を啓開する。プロフェッショナルな自衛隊、警察、消防、電力会社などの皆さんに、まずは頑張っていただくことが全体としての復興を早める」と強調した。

さらに「みんなが押し寄せてしまうと、道がふさがって作業ができないってことは北陸電力の皆さんからも直接聞いた。私たちが提案した中にも、復興を早く進めるためには特に一般の人の、現地に入ることはやめましょうっていうことにしたわけです」と訴えた。

5日にレンタカーで石川県能登町を訪れ、現地のNPO法人からヒアリングした山本氏の行動を「NPOから言われたということなんですけど、我々だって今すぐ来てくれって声はいっぱい受けている。全員が個人としてベストだと思うことをやったとしても、全体としてそれが最適じゃないケース。個人がベストだと思ってやることを足し合わせたら、全体としてはダメになることはこの世界いっぱいある」と厳しく指摘した。

震災復興には段階があり、一般人も含めマンパワーが必要になった時は統制された形で現地入りすべきだと主張した玉木氏。「いかに全体としてベストな復興になるような動きを、私は少なくとも責任ある立場の人は貫くべきだし、従うべきだと思う。石川県知事や地元の首長さんからも要請や指示が出ると思いますので、ぜひそれに則って、頑張っていただきたいなと思います」と語気を強めた。

玉木氏は、政治家だけでなく迷惑系ユーチューバーが被災地入りし、一部の支援者を喜ばせるためやPV(ページビュー)稼ぎにやっていると断罪。ビューを稼ぐとか、インプレッション稼ぎで儲かる仕組みになっている。センセーショナルな被災地情報を出すことによってお金稼ぎをするような状態が放置されている。震災においてはマイナスにしかならない」と苦言を呈し、プラットフォーマーやSNS事業者の対応を求めた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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