栃木県宇都宮市上戸祭町の住宅で7日深夜、保育園児の兄弟2人の遺体が見つかった事件で、一時意識不明の状態で救急搬送された母親(33)が夫(32)に宛てたとみられる遺書に、家族関係の悩みなどが書かれていたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。県警は母親が無理心中を図った可能性があるとみて、殺人容疑を視野に捜査している。
県警によると、死亡したのは長男(4)と次男(2)。7日午後10時ごろ、男児2人と母親が1階リビングで倒れているのを帰宅した夫が見つけ、119番した。救急隊員が男児2人の死亡を確認。司法解剖の結果、死因は首を絞められたことによる窒息死だった。
母親は腹部に外傷を負い、一時は意識不明の状態だったが、意識を取り戻した。県警は容体の回復を待って事情を聴く方針。
一方、兄弟を知る関係者は2人の早過ぎる死を悼んだ。家族と約1年半前から付き合いがあり、「仲の良い家族に何があったのか。息子さん2人には未来があったのに…」と表情を曇らせた。
5日夕、兄弟に会ったのが最後となった。その際、一緒にいた母親はいつも通りの笑顔であいさつしてくれたという。
滑り台で元気に遊ぶ兄弟の姿や、昨年末に家族で行ったという東京ディズニーランドの楽しげな話が記憶に残っている。
関係者は「幼い子どもが命を落とすことはあってはならない」と悔やんだ。