ホタルイカ漁ピンチ 3月開始、施設破損の水橋漁港

地震の影響で損傷した定置網=富山市内の水橋漁港

 能登半島地震で定置網や荷さばき所の破損が確認された富山市の水橋漁港で、漁業者が出漁できない状態が続いている。3月から始まるホタルイカ漁に間に合わない可能性があり、地元の漁業関係者からは「市や県には早急な支援をお願いしたい」との声が上がっている。

 水橋漁港の被害は広範囲に及ぶ。荷さばき所周辺が液状化現象で沈下し最大約40センチの段差ができたほか、堤防や船揚げ場にひび割れが多数確認された。沖合の5カ所に設置してある定置網は海底の重りの位置がずれてロープが切れたり、網が沈んだりして全て使えなくなった。

 水橋漁民合同組合では、破損した定置網を回収する作業に追われ、地震発生後は一度も漁に出られておらず、再開の見通しも立っていないという。

 組合によると、例年の年間水揚げ高は2億円程度で、うち約8割をホタルイカ漁が占める。定置網の修復に掛かる費用は少なくとも約6千万円を見込む。

 安倍久智組合長は喫緊の課題として荷さばき所の仮施設整備と定置網修復を挙げ、「3月のホタルイカ漁解禁までに間に合わせないといけない。行政の支援がなくては無理だ。何とか助けてもらいたい」と話した。

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