〈1.1大震災〉うどんで被災地元気に 氷見「よしだや」営業再開

うどんで温まる来店者=氷見市内の飲食店

 能登半島地震の発生から7日目となった7日、富山県内の被災地では、住む場所を失った家族らが避難生活を続け、いまだに広範囲で断水が解消されていない。雪も降り出す寒さとなる厳しい状況の中、復旧作業に携わるボランティアが県内外から大勢集まり、支援物資も日増しに届くようになった。暗いムードを吹き飛ばそうと地元住民も立ち上がり、被災地は少しずつ元気を取り戻している。

  ●おにぎりも無料で

 氷見市諏訪野の飲食店「麺処(めんどころ) よしだや」は7日、約250食分の温かいうどんとおにぎりを無料で振る舞った。地震で被災した市民を元気づけようと営業再開に合わせて企画。会員制交流サイト(SNS)で案内しただけだったが、午前11時の開店から、お客らが次々に訪れた。

 よしだやは、地震で建物に大きな破損はなかったものの、器が割れるなどの被害を受けた。店周辺で発生以降続いていた断水は、同日までに復旧した。

 自宅のかもいが壊れたという澤武照子さん(75)=諏訪野=は「風呂にも入れず、気持ちが沈んでいたが、あったかいうどんを食べてほっこりした」と感謝した。

 店主の吉田和広さんは「被災して、温かい食べ物が人をホッとさせることを実感した」と話し、腕を振るった。

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