「被災地は非日常」帰省中に被災の選手も…戸田でボート選手らが募金活動 「関心の一歩先に能登の復興」

募金箱を手にチームで支援を呼びかける戸田中央総合病院ローイングクラブの柿島麗選手=9日午前、戸田公園駅西口

 ボート競技の戸田中央総合病院ローイングクラブと、女子ソフトボールの戸田中央メディックス所属の選手らが9日朝、埼玉県戸田市のJR戸田駅、戸田公園駅前で能登半島地震支援の募金活動を行った。活動に参加した選手らのうち、同クラブ所属の柿島麗(かきしま・うらら)選手(25)は石川県七尾市出身。地震が発生した1日は帰省中で、自身も被災。激しい揺れの影響で実家が傾き、壁面に亀裂が入るなどの被害を受けたという。

 柿島選手は、戸田中央産院医事課に勤務し、昨年9月に中国・杭州で行われたアジア大会に日本代表として出場、「女子エイト」で銀メダルを獲得している。今回の地震について、「高校時代の友人の中には停電、断水し、暖を取ることさえ難しいご家庭もある。余震も続き、一日中眠れない日々を過ごしている」と被災地の現状に心を痛める。

 活動には両チーム所属の選手ら40人が出勤前の時間を利用して参加。「緊急支援」の文字が入った横断幕とともに募金を呼びかけると、駅の利用者が次々と足を止め、募金に応じていた。

 柿島選手は「帰省から戻り、こちらには普段の日常があって驚いている。被災地は非日常。家族を支えて頑張っている友人もいる。関心を持つことの一歩先に能登の復興がある。募金活動を通じて支えてほしい」と呼びかけていた。

 戸田中央メディカルケアグループ本部によると、寄せられた募金は日本赤十字社県支部戸田市地区を通じ、全額が被災地に寄付される。また、同グループ内に募金箱を設置し、支援を継続するという。

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