反田恭平&JNO全国公演、初日は宇都宮 モーツァルト弾き振り注目 来月10日、県総合文化センター

反田恭平(©Yuji Ueno)

 ピアニスト反田恭平(そりたきょうへい)と反田がプロデュースするジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)のコンサートが2月10日、県総合文化センターメインホールで開かれる。とちぎ未来づくり財団主催、下野新聞社共催。2月に10都市12公演が予定されている全国ツアーの初日で、チケット完売の公演も相次いでいる。

 プログラムはモーツァルト「歌劇『ドン・ジョバンニ』序曲」「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調」とプーランク「ピアノと18の楽器のための舞踊協奏曲『オーバード』」、ラヴェル「クープランの墓」。

 「ピアノ協奏曲」は反田の弾き振り。特に映画「アマデウス」のエンドロールでも知られる第2楽章の荘重で美しい旋律を一緒に楽しんでほしいとメッセージを寄せる。前々から好きな作曲家としてモーツァルトを取り上げてきた反田が、ゆかりの地ウィーンを拠点とする現在、どのように熟した演奏を聴かせるかが注目だろう。

 反田自身が今回の目玉の一つとして挙げているのは「第1バイオリンがなく、18本の楽器とピアノの室内楽的協奏曲」というプーランク。ラヴェルはピアノ作品の管弦楽版で、木管セクションの大活躍ぶりが聞きどころだという。

 反田は2021年の第18回ショパン国際ピアノコンクールで、日本としては半世紀ぶりの第2位に選ばれた。リサイタル、国内外オーケストラとのツアーはもちろん、室内楽や自身が創設したJNOのプロデュースなどにも力を入れ、指揮者としても活躍の幅を広げている。チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院を経て、F・ショパン国立音楽大研究科修了した。

 JNOは、反田が同世代の実力派アーティストたちに声を掛け、18年に「MLMダブル・カルテット」としてスタート。21年に改名し、学校へのアウトリーチなどの地域貢献活動、年2回の全国、海外ツアー、メンバーによるリサイタル・シリーズを実施している。

 午後2時開演。チケットは全席指定8千円、U-30席(30歳以下限定、バルコニー席)3千円。(問)同センタープレイガイド028.643.1013。

JNO(©Kenryou Gu)

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