災害が起こったとき、ペットはどうしたらいいの…?ペットの避難について徹底プレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】 

【動画】災害時ペットの避難は大丈夫?【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材してお伝えする『アナたにプレゼン』。今回プレゼンする有田優理香アナウンサーが、災害時のペットの避難についてお伝えします。

私も犬を飼っているんですが、1日の能登半島地震では、実家の新潟県に飼犬と一緒に帰省中で、震度5強の強い揺れに遭いました。本棚のものが全て落ちてくるくらい強い揺れで、急いで犬をケージの中に避難させました。広島の家では、レイアウトだったり、災害への備えはしていましたが、帰省中に地震が起きるとは思わず、地震・災害は待ってくれないと思い、かなり焦りました。

どう避難するのかというのも1つ重要な点になると思いますが、災害に遭った時に、ペットが避難するのに準備がかかってしまい、人もペットも犠牲になってしまう可能性もあります。そうしたことを避けるために、人もペットも命を守るために、飼い主の私たちはどうしたらいいのか、一緒に考えていきましょう。

避難する際、ペットとの「同行避難」が原則になります。東日本大震災など過去の震災で、ペットを自宅に取り残して一旦避難した飼い主が、ペットを避難させるためにもう1回自宅に戻った際に、災害に巻き込まれ命を落としたり、危険に遭うというケースがありました。これを受けて、環境省が「同行避難」を推奨するガイドラインを策定しました。まず、飼い主とペットの双方の命の安全を確保するというのが大事になります。

「同行避難」とは、ペットと避難所で同じ部屋で過ごすことができるという意味を指すものではありません。避難所でのペットの居場所は、多くの場合、体育館の軒下や屋根のある屋外などが基本で、飼い主が持参したケージなどで過ごすのが一般的です。避難所には、たくさんの人がおり、動物のアレルギーがある人、苦手な人もいますので、様々な人に配慮することが大事になります。トラブルを避けるためにも、事前に最寄りの避難所で、ペットに対して居場所がどのように確保されているのか、確認することが必要になります。また、「同伴避難」とは、飼い主とペットが一緒に同じ場所で避難生活を送ることですが、同室とは限りません。

自分とペットが避難する時に、何が大事になってくるのかを、ドッグトレーナーで防災活動の普及にあたる、ペット災害危機管理士会中国四国支部長の上野貴子さんに聞きました。

■ペット災害危機管理士会中国四国支部長 上野貴子さん

「災害だけを頭に入れて備えをするんではなく、普段から備えておく。普段からのしけだとか、普段からの適正飼養、健康管理、衛生管理っていうのが、何かあった時に効果を発揮するという風に考えていただきたいなと思います。」

Q.どんな準備を普段からしておけば良いですか?

■ペット災害危機管理士会中国四国支部長 上野貴子さん

「避難行動を取る時に、備蓄品が持って出られるような余裕があればいいんですけれども、やはりそうでなかった時に、持って出られる範囲内にどれだけのものが、手の届くところにあるかとか、あとは災害の時、1番には動物の呼び戻しですよね。ペットを呼べばすぐ来るようにされてるかどうかっていうところも、ポイントになると思います。」

災害が起きてからではなくて、起きる前にどれだけ事前の備えができるかです。

ペットと避難する際に、飼い主の備えとして大事なことをまとめました。まずは、ペットの健康管理です。避難所には多くの人がいます。ノミやダニの予防などしっかりしておきましょう。そして、所有者の明示が大事になります。突然の災害では、ペットと離れ離れになる可能性もあります。ペットが迷子になって、どこかで保護された時に、すぐに飼い主が分かるように、普段から身元を示すものをつけておくことが大事になります。迷子札とマイクロチップをダブルで備えておきましょう。また、基本的なしつけ「マテ」や「コイ」、そして避難する時に大事になるケージトレーニングも普段からしておきましょう。

そして、避難所生活に大事になってくる物資の備蓄です。今回、私が愛犬のために物資の備蓄として備えているものを用意しました。まずは、避難で必須のケージを用意しています。あとは避難所でのトイレです。トイレシート、さらには袋も用意しています。備蓄品として大事になってくるのが、水そして餌です。避難所では、人に対する準備はされていますが、被災動物に対する備えは、基本的に飼い主の責任になってきます。救援物資が届くまで時間がかかるので、水や餌は少なくとも5日分は用意しておくことが望ましいです。また、避難所には動物が苦手な方もいるので、繰り返しになりますが、しつけは大事になってきます。特に、ケージトレーニングをしておきましょう。

そして、各自治体でもペットの避難について向き合う様子があります。安芸郡熊野町の熊野東防災交流センターです。こちらの特徴は、ペット専用の避難スペースがあり、中にはペット用のケージが用意されています。およそ50平方メートルのスペースに収容できるのは、犬20匹と猫10匹です。この他の動物は個別に相談に応じます。

熊野町では、この東に加えて、中央そして西の3つの防災センターで、熊野町内のペットを飼う70世帯を受け入れられる態勢になっています。熊野町は、2018年の「西日本豪雨災害」の経験が大きく、ペットと避難できないと思い、避難をためらった結果、逃げ遅れたというケースもありました。一方で、災害時には、ペットにも大きなストレスがかかります。飼い主として日頃から、親戚や友人、ペットホテル、かかりつけの動物病院などにあらかじめ相談し、複数の一時預け先を確保しておきましょう。普段からどういった避難所があるのか、自分の身近な避難所を調べておくことが大事になってきます。物資、そして避難所について、飼い主としてできることを常にやっておきましょう。

【テレビ派 2024年1月9日放送】

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