水陸両用バギー搭載「津波対策車」、能登被災地へ派遣 孤立集落救助へ活用

被災地に派遣される「津波・大規模風水害対策車」の前で行われた出発式(舞鶴市浜・東消防署)

 能登半島地震を受け、京都府内で1台のみ舞鶴市消防本部に配備されている「津波・大規模風水害対策車」が10日、石川県珠洲市に派遣された。悪路走行が可能な水陸両用バギーを搭載しており、孤立集落の状況把握や救助への活用が期待される。

 水陸両用バギーやゴムボートを搭載する同車両は、東日本大震災でがれきが山積したり、冠水したりした現場で活動に苦慮した教訓から、総務省消防庁が各都道府県に1台ずつ貸与している。京都府には2020年、沿岸で最も規模が大きい舞鶴市消防本部に配備され、今回が初の災害派遣となる。

 津波・大規模風水害対策車は、府の緊急援助隊第4次派遣隊の一部として現地に向かう舞鶴市部隊(10人)が活用する。同市の東消防署で開かれた出発式では、竹本佳康消防長が「被災地の全容がつかめない中だが、全力を挙げての活動を願う」と訓示。同部隊指揮隊長の竹原裕消防司令は「バギーを活用し孤立集落などの状況把握や救助につなげたい」と話した。

「津波・大規模風水害対策車」に搭載されている水陸両用バギー=舞鶴市提供

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