宿泊体験の格差解消へ寄付募る With優(米沢)、独自商品販売し資金に

宿泊体験の資金を確保しようと販売しているオリジナルTシャツ=米沢市

 経済的理由などで長期休暇にさまざまな体験ができない子どもに、宿泊体験を楽しんでもらおうと、米沢市のNPO法人With優(白石祥和代表)が、京都のチャリティー専門ブランドと連携して寄付を募っている。14日まで同法人の思いを表現したオリジナル商品を販売し、体験の資金に充てる。家庭環境などで子どもの体験に格差が生まれる現状について、改善を進めたいとしている。

 同法人は引きこもりや不登校の若者の支援に取り組む。昨年8月、県の助成金を活用し、飯豊町で1泊2日の宿泊体験を初めて実施し、県内外の小中高生約20人が参加した。経済的理由や不登校などで宿泊体験をすることが難しい子どもたちが、川遊びや昆虫採集などを楽しんだ。初めて外泊ができた子どももいた。「来年も実施してほしい」との声が上がったという。

 今年の夏の宿泊体験は、鶴岡市に同法人が所有する「海の家」を拠点とし、8月に行う予定。家庭の負担を減らすために同法人が交通費、食費などの参加料を補助する。集める資金は、これに活用する。

 京都府のチャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN(ジャミン)」が、同法人の活動内容を踏まえ「WE ARE ALWAYS HERE」(私たちはいつもここにいるよ)との言葉を入れたTシャツなどをデザインし、8日から通販サイトで販売している。1商品購入ごとに700円が寄付される仕組み。一部の商品は寄付額を選ぶことができる。目標額は10万円。

 白石代表は「子どもが体験できることには格差があり、(解消には)社会のサポートが必要。参加者に楽しい思い出をつくってほしい」と話している。サイトはhttps://jammin.co.jp

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