23歳バースデーから新シーズン開幕 蝉川泰果「今年は人生初の海外優勝を」

海外での1勝を目指す2024年(撮影/亀山泰宏)

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 事前(10日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

大会初日の11日(木)は23歳のバースデー。蝉川泰果は文字通り新たな1年のスタートとなる開幕を前に「気持ち的には上がってきます。頑張りたいですね」と笑顔で話す。

1年前にPGAツアーデビューを飾った試合。ここから米本土に飛んでカリフォルニア州での「ザ・アメリカンエキスプレス」、「ファーマーズインシュランスオープン」と3連戦を組むのも同様だ。まずは初戦に向けて「去年の自分より成長しているのか測れる試合だと思う。去年の自分(67位)よりもいい順位を」と力を込める。

高橋淳也キャディとともにPGAツアー3連戦(撮影/亀山泰宏)

ルーキーとして国内ツアーを戦った昨季は4月「関西オープン」で早々にプロ初優勝を飾りながら、次の1勝はシーズン最終戦だった12月「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。苦しむ時間の中でつかんだものもある。「(2位だった10月の)フェニックスの時に正解を導き出せたというか、悪い流れの時もあきらめなければ5連続バーディだったり、いいプレーができてくるという経験ができた。それはPGAツアーでも一緒かな、と」

持ち味の攻撃力を生かすスタイルも貫く。1年前のスポット参戦ではディフェンス面で苦しんだが、「逆に去年、短所を埋めていく作業をやろうとして、バーディが獲れなくなったりした。優勝した時を振り返っても、バーディもボギーも多いという試合が多い。強みを最大限に出して、ボギー、ダボが来ても、それ以上にバーディを獲るぞっていう気持ちでやれれば」。プレーに対して“割り切り”ができるようになったのは、プロとして成長した部分だと少しだけ胸を張る。

2年連続の出場。風も吹くコースはやはり難しい(撮影/亀山泰宏)

「各国からトップの選手が集まってくる最高峰の舞台。その中で存在感を出していきたい」と話すのは、今季の目標にもリンクしてくる。日本ツアーを主戦場にしながら、スポット参戦で結果を出すこと。「海外での1勝を挙げたい。アマチュアでも勝ったことがないので、人生初の海外優勝をしたい」と高みを見据えた。

今週もフィールドにいるルドビグ・アバーグ(スウェーデン)は、蝉川が世界アマチュアランキング1位だった時に2位だった選手。すでに昨年プロ転向から程なくして欧米ツアーで優勝を遂げた。23歳初戦には、これだけモチベーションがある。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)

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