エルニーニョ現象ピーク過ぎる 春の終わりにかけて 平常になる可能性も

 気象庁は11日(木)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年の春から、エルニーニョ現象が続いている。今後、春の終わりにかけてエルニーニョ現象が続く可能性もある(40%)が、平常の状態になる可能性の方がより高い(60%)と予測している。

 12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+2.3℃で、基準値より高い値だった。8月に+2.2℃となって以来ほぼ同じ値が続き、太平洋赤道域の海洋と大気の状態は、成熟したエルニーニョ現象時の特徴を示している。

 

大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温がピークを過ぎ、西部の冷水の東進に伴い、春の終わりにかけて次第に下降し、基準値に近い値に遷移する可能性があると予測している。以上のことから、今後、春の終わりにかけてエルニーニョ現象が続く可能性もある(40%)が、平常の状態になる可能性の方がより高い(60%)と予測している。

■エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。

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